榎戸誠の情熱的読書のすすめ -3つの読書論・ことばのオアシス・国語力常識クイズ(一問一答!)-

無名のあなたでも電子書籍が書ける、売れる時代がやってきた・・・【続・リーダーのための読書論(26)】

【ほぼ日刊メディカルビジネス情報源 2013年4月22日号】 続・リーダーのための読書論(26)

販売の教科書

電子書籍の時代を迎えている。短時日のうちに紙の書籍を圧倒するかもしれない。あなたが従来の紙の書籍派か電子書籍派かを問わず、これからは電子書籍に無関心というわけにはいかないだろう。『電子書籍を無名でも100万部売る方法』(ジョン・ロック著、大竹雄介訳、東洋経済新報社)は、電子書籍をどう読むかではなく、どう書き、どう売るかということを解説した教科書である。

著者はプロ作家でなく無名のインディーズ作家(出版社や編集者を介さずに電子書籍を執筆、制作、販売する書き手)だったのに、本業の傍ら書いた電子書籍を5カ月間で100万部も売り上げたという人物なので、説得力に満ちている。

成功の秘訣

この著者は、かなり正直で率直だ。成功の秘訣はただ一つ、「特定の読者に向けて執筆し、彼らを集客すること」と断言している。

成功の鍵として、4つが挙げられている。第1は「計画を立てる」、第2は「あなたの読者対象を知る」、第3は「ビジネス的にアプローチする」、第4は「ツールを活用する」だ。

具体的な方法は、●販売目標でなく、プロジェクト目標を決める→●ツイッターやフェイスブックのアカウントをつくる→●コンテンツの主人公などの固有名詞をブランド化する→●コンテンツを複数用意する→●ブログやウェブサイトをつくる→●それらに自分へのイタンヴュー記事を掲載する→●電子書籍の価格を設定する→●読者との繋がりを大事にする――と記されている。

そして、「読者と信頼関係を築き、電子書籍を販売する」、「書籍コンテンツを自社の従業員と見做す」ことを勧めている。実際、彼は自作の主人公たちを従業員のように扱い、事あるごとに彼らと架空の会話を交わしているのだ。

私へのヒント

私は「榎戸誠の情熱的読書のすすめ」(http://www.medicalline.co.jp/enokidoblog/)というブログを持っているが、本書はこのブログを魅力的にするためのヒントを3つも与えてくれたのである。