榎戸誠の情熱的読書のすすめ -3つの読書論・ことばのオアシス・国語力常識クイズ(一問一答!)-

こういうときは、どういう本を読んだらよいのか・・・【MRのための読書論(126)】

【Monthlyミクス 2916年6月号】 MRのための読書論(126)

若い人たちへ

私は徒に馬齢を重ねてきただけであるが、多少本を読んでいる人間と思われているのか、私の子供の世代、孫の世代の若い人たちから、こういうときはどういう本を読んだらよいのか、こういう目に遭ったときはどう切り抜けたらいいのか――といった質問を受けることが多い。これまでの経験から、これらの質問はおおよそ10にまとめることができる。

10の質問

このケース別リストが少しでも参考になれば嬉しい。なお、詳細は、ブログ「榎戸誠の情熱的読書のすすめ」(http://enokidoblog.net/)を参照してほしい。

●段取りのコツを学びたいときは→『絶妙な「段取り」の技術―サクサク見違えるようにコトが運ぶ「PWA(段取り力』(吉山勇樹著、アスカビジネス。出版元品切れだが、amazonなどで入手可能)。段取りは、ゴール設定、計画立案、実行・進捗管理、評価・仕組み化――の4ステップに分けて考える。

●PDCAをうまく回転させたいときは→『これだけ! PDCA――必ず結果を出すリーダーのマネジメント4ステップ』(川原慎也著、すばる舎)。

●自分の担当プロジェクトを成功させたいときは→『よくわかるプロジェクトマネジメント――入門マネジメント&ストラテジー』(西村克己著、日本実業出版社。出版元品切れだが、amazonなどで入手可能)。プロジェクトマネジメントのコツは、テーマ設定と解決策の立案、実行計画の立案、実行と評価――の3つだ。

●頭の中を上手に整理したいときは→『考え・書き・話す「3つ」の魔法――いつでも、だれでも、なんにでも使える!』(野口吉昭著、幻冬舎)。何事も「3つ」にまとめる習慣が身に付くと、頭の中がすっきりし、コミュニケーション力が格段にアップする。

●説得力のある文章を書きたいときは→『わかりやすい文章を書く技術』(樋口裕一著、フォレスト出版)。1文章を60字以内に収める、結論を先にする、箇条書きを活用する、必ず推敲する――ことで、わかりやすい文章になる。

●片づけのコツを身に付けたいときは→『たった1分で人生が変わる片づけの習慣』(小松易著、中経の文庫)。身の周りを片づけると、不思議なことに、人生が好転し始める。片づけの基本動作は、出す→分ける→減らす→しまう――の4段階である。仕事の書類は、作業中、保管、保存、廃棄――の4つに分類して整理する。

●悪い習慣を止めたいときは→『キッパリ!――たった5分間で自分を変える方法』(上大岡トメ著、幻冬舎文庫)。

●逆境を切り抜けたいときは→『夜と霧――ドイツ強制収容所の体験記録』(ヴィクトール・エミール・.フランクル著、霜山徳爾訳、みすず書房)。同じ出版社から別の訳者のものも出版されているが、私にとっての『夜と霧』は霜山訳しか考えられない。著者のフランクルは少壮の精神科医として、美しい妻と2人の子供に恵まれ、ウィーンで平和に暮らしていたが、突然、ユダヤ人という、ただそれだけの理由で、ナチスによって一家もろともアウシュヴィッツ強制収容所へ送られてしまう。この常に死と隣り合わせの逆境を、彼がどのようにして生き延びたのかが記されている。

書籍ではないが、俵萠子の「職場のやりきれない人間関係――先輩や同僚、後輩に、どうしてもがまんのならない人がいるとき、私はいつもこう考えることにしていた」という文章を読み返すことによって、私は何度も逆境を乗り越えてきた。「イヤな上役とは、台風のごときものである。その間はじっと耐えるほかない。大事なことは、このイヤな状態が永遠に続くとは思わないことだ」といった内容である。この文章の全文を読みたい人は、私宛てメール(rsd02078@nifty.com)で請求してほしい。

●自分の夢を実現したいときは→『一冊の手帳で夢は必ずかなう――なりたい自分になるシンプルな方法』(熊谷正寿著、かんき出版)。自分の夢を手帳に書き込む、その手帳を常に持ち歩く、その夢を繰り返し読み返す、やるべきことを頭に叩き込み実行する――これを実行すれば、君の夢は実現する。

●会社で出世したいときは→『課長 島耕作』(弘兼憲史著、講談社、全17巻。出版元品切れだが、amazonなどで入手可能)。これはコミックスであるが、会社の実態が生々しく描かれており、出世の秘訣が鏤められている。