榎戸誠の情熱的読書のすすめ -3つの読書論・ことばのオアシス・国語力常識クイズ(一問一答!)-

整えるのは、「もの」ではなく、「こころ」「からだ」「生きることそのもの」・・・【情熱的読書人間のないしょ話(793)】

【amazon 『手にするもの しないもの 残すもの 残さないもの』 カスタマーレビュー 2017年6月24日】 情熱的読書人間のないしょ話(793)

東京・文京の小石川後楽園は、動植物にとっても心地よい空間のようです。スズメの幼鳥が木の実で遊んでいます。ハシブトガラスが水を飲んでいます。アオサギもいます。カメたちが甲羅干しを楽しんでいます。ニホンスッポンとクサガメが並んでいます。ミシシッピアカミミガメは側頭部の赤い模様が目立ちます。スイレンが白い花を咲かせています。

閑話休題、『手にするもの しないもの 残すもの 残さないもの――ほんとうに整えたいのは、自分自身』(広瀬裕子著、オレンジページ)を読んで、心に響く言葉に出会いました。

「整理しているもの、手放しているもの。それは『もの』ではあるけれど、ほんとうのところ整えているのは『その人自身』ではないか、と。わたしは思っています。つまり、整えているのは『こころ』と『からだ』であり、生きることそのもの、と」。

「整える。そのことに必要なのは、収納スペースや収納グッズではなく、自分を知ることだと思うようになりました。自分がどういたいのか、どういう空間に身をおきたいのか、をまず知る。それは、何を大切にしたいのか、人生のなかでの優先順位は何かをわかることでもあります。それが、ある程度、わかってくれば、収納の問題は解決する気がします」。

「いろいろなことがある人生です。そのなかで、せめて、自分で自分を機嫌よくいられるように、と、思います。そのひとつが、わたしにとっては『整った空間で暮らす』ということなのです。わたしの『整った』は、風が通りぬけるような感覚で、試すうち、いまの形に至りました。あれが気になる、これが目につく、それはすきではない、という、自分にとっていいとは思えない影響をできるだけけずっていった結果が、いま見える風景です」。

空間について、整理整頓について、片づけについて、著者自身の実例が多数、具体的に紹介されています。