榎戸誠の情熱的読書のすすめ -3つの読書論・ことばのオアシス・国語力常識クイズ(一問一答!)-

少(わか)くして学べば、壮にして為(な)すことあり。壮にして学べば、老いて衰えず。老いて学べば、死して朽ちず。・・・【ことばのオアシス(28)】

【薬事日報 2010年3月1日号】 ことばのオアシス(28)

少(わか)くして学べば、壮にして為(な)すことあり。
壮にして学べば、老いて衰えず。
老いて学べば、死して朽ちず。

――佐藤一斎

儒学者・佐藤一斎の語録『言志四録』の一つ『言志晩録』の第60条に記された言葉。「人間は一生学ぶことができる。老いて学べば、死後もその名は朽ちることがない」というのである。

一斎の門に学んだ者は、渡辺崋山、山田方谷、横井小楠、佐久間象山など数多く、象山の弟子には、勝海舟、吉田松陰、坂本龍馬などがいる。弟子ではないが、西郷隆盛の座右の書が『言志四録』であったことはよく知られている。

『言志四録(3)――言志晩録』(佐藤一斎著、川上正光全訳注、講談社学術文庫)に収められている。

『人間は一生学ぶことができる――佐藤一斎「言志四録」にみる生き方の智恵』(谷沢永一・渡部昇一著、PHP研究所)は、学ぶ人への激励メッセージである。

『佐藤一斎「人の上に立つ人」の勉強――45分で「人生を変える贈り物」が手に入る!』(佐藤一斎著、坂井昌彦訳、三笠書房・知的生きかた文庫)は、一読の価値がある。