榎戸誠の情熱的読書のすすめ -3つの読書論・ことばのオアシス・国語力常識クイズ(一問一答!)-

散策のとき、道草の名前や生態を子どもと語り合おう・・・【情熱的読書人間のないしょ話(812)】

【amazon 『子どもと一緒に覚えたい道草の名前』 カスタマーレビュー 2017年7月14日】 情熱的読書人間のないしょ話(812)

早朝の小学2年生対象の読み聞かせヴォランティアで、『ももろう』を読みました。読み聞かせを終えて玄関を出たら、先生(何と校長でした!)が花壇に水を撒いていました。熱心に吸水するアオスジアゲハをバッチリ、カメラに収めることができました。念願のアオスジアゲハが撮影できて、大満足! 教室のグリーン・カーテンのゴーヤーが実っています。白いのはアップルゴーヤーという品種だと校長が教えてくれました。因みに、本日の歩数は10,582でした。

閑話休題、『子どもと一緒に覚えたい道草の名前』(稲垣栄洋監修、山本有子編集、加古川利彦絵、マイルスタッフ)は、道草の絵と写真と文章が実にいい雰囲気を醸し出しています。

「ここに掲載したのは、よく見かけることのある、身近な道草ばかりです。この花の名前がそんな名前だったのか、と知ることは、科学に興味を持つ、第一歩かもしれません。そして日々、環境に合わせて生き延びようとする雑草たちの巧みな戦略を知れば、こんな小さな、動かないものに、そんな知恵と力があるなんて、と大人も驚くでしょう」。

例えば、ドクダミについては、このように説明されています。「変わった形の花ではなく、あの白い花びらは実は偽物――ドクダミの白い花びらのようなものは、実は花びらではなく、葉が白く変化したものだ。花はその真ん中にある柱のようなフサフサの部分。よく見れば、小さな花が細かく咲いている。花びらに見せかけた葉は日陰の薄暗い場所でも目立つことで虫をおびき寄せるためかと思われるが、実際はよく分からない」。

ナガミヒナゲシは、こうです。「他の植物を攻撃する――この花はポツンと一輪だけ咲いている印象が多い。それにも実は理由がある。ナガミヒナゲシは根っこから他の植物の芽生えを阻害する強いアレロパシー物質を出す。そういった性質の植物は他にもあるが、ナガミヒナゲシの物質は特に強い。見た目から伝わる毒々しさそのままの攻撃的な生態だ」。

ススキは、このようです。「枯れても倒れないススキはガラスと同じ物質を持つ――ススキの体は茎や葉はケイ素を取り込んだガラス質を持ち、非常に固く、耐久性もあるため、枯れてもそのまま真っすぐ立っていることができる。雨に濡れてもガラス質なので腐ったり、あまり柔らかくなったりしない。茅葺き屋根に使われるのも、そのくらい丈夫なため」。

何と、エノコログサは食用になるというのです。「実はアワが原種――実は雑穀のアワが原種と言われるエノコログサ。粒が小さいため通常は食用にできないが、火であぶるとポップコーンのように弾けて食べることも。まあ、排気ガスまみれの穂を食べたいとは思わないが、大人も一緒についての遊びとしては面白いかもしれない。当然、鳥たちにとってエノコログサはおいしい食事の対象。こんな身近な雑草が、食べられる穀物と近い存在だということを知るのも子どもにとっては新鮮な驚きかもしれない」。

本書は、散策のとき、子どもとの距離を一気に縮める秘密兵器になるかもしれません。