榎戸誠の情熱的読書のすすめ -3つの読書論・ことばのオアシス・国語力常識クイズ(一問一答!)-

身近な野鳥なのに、こんなに知らないことがあったとは・・・【情熱的読書人間のないしょ話(1137)】

【amazon 『身近な鳥のすごい事典』 カスタマーレビュー 2018年6月4日】 情熱的読書人間のないしょ話(1137)

今日はヤモちゃんが2匹来ているわよ、という女房の声に、慌ててカメラを手にしました。ニホンヤモリが2匹同時に現れるのは初めてのことです。ムクドリがキュルキュルと高い声で囀っています。我が家でもクチナシが3輪咲きました。薄桃色のガクアジサイが色づいてきました。アメリカノウゼンカズラが咲き乱れています。散策中、キジバトの交尾を目撃しました。ビワ、ラビットアイ・ブルーベリー、ヨーロッパキイチゴ(ヨーロピアン・ラズベリー)が実を付けています。因みに、本日の歩数は10,117でした。

閑話休題、『身近な鳥のすごい事典』(細川博昭著、イースト新書Q)では、身近な35種の野鳥にスポットが当てられています。

ムクドリは我が家でもよく見かけますが、ギャア、キュルキュル、ツィーツィー、ジャージャーといった鳴き声の多彩さには、驚かされます。「実はムクドリも托卵をする。といってもホトトギスやカッコウのように別種の鳥の巣に卵を産みつけるわけではなく、同種の巣に産む。こうした托卵を『種内托卵』と呼ぶ。つまり、一見親子に見えるムクドリの巣立ち雛の中には、養子がけっこういるということだ。実子かどうかの見分けがつきにくいこともあるが、ムクドリのカップルは自分たちが産んだ以上の雛が孵ってもあまり気にしない。・・・こうしてあちこちに子だくさんのムクドリが増えることで、その繁栄が継続していく」。

ハヤブサとチョウゲンボウについて。「ハヤブサやシロハヤブサ、チョウゲンボウなどが属するハヤブサのグループは、ワシやタカの仲間だとずっと考えられてきたが、DNAを比べてみると、それは明らかなまちがいで、ワシ・タカよりもインコやスズメ目の鳥に近かったことが判明した。多くの鳥類が分岐していったのち、最後に残ったグループからまずハヤブサ類が分かれてハヤブサ目が誕生し、ほどなくインコ目が誕生。残った巨大なグループがスズメ目となって、スズメ類やカラス類、ヒタキ類などが分かれていったことが確認されたのだ。近い環境で似た暮らしをしているうちに姿が似てくることを『進化の収斂』や『収斂進化』と呼ぶが、ハヤブサ類とワシ・タカ類に共通する特徴だった鉤状のクチバシや鋭い足の爪などは、まさに進化の収斂によるものだった」。目から鱗が落ちました。

嫌う人が多いヒヨドリですが、かつて花形だった時代があったそうです。「ヒヨドリをこぞって愛玩した時代があった。それは今から800~1000年前の平安時代のこと。飼っていたのはもちろん貴族で、名前をつけてかわいがっていた各家の鳥を持ち寄って優劣を競う『鵯合(ひよどりあわせ)』が行われたという事実まである」。

ホトトギスやカッコウが托卵する理由が、漸く分かりました。「ホトトギス類は自身の体温を保持する能力が低く、気温の変化や運動状況などによって体温が10度も上下することがわかっている。ホトトギス類が日本に渡ってくるのは初夏の前後で、日の出前などはまだまだ寒い。そんな時期に自分で卵を抱いたとしたら、孵化は途中で止まり、中の雛が死んでしまう可能性が高い。それが、ホトトギスやカッコウが、ほかの鳥の巣に托卵し、自身で子育てをしない理由ではないかと推察されている」。

ウズラが長距離を飛べることは知りませんでした。「ウズラは、ニワトリやキジ、ライチョウなどと同じキジ目の鳥である。小さくて丸い体や短い翼から『飛べない鳥』と信じている人も多いが、実はウズラの体には優れた飛翔力が備わっていて、野生のウズラはその翼で日本国内を長距離移動する。それどころか、一部は冬場、中国北東部や極東ロシアなど、北アジアから渡ってきて日本で越冬し、また別の一部は、夏の日本で繁殖し、冬に東南アジアへと帰っていく。彼らはれっきとした渡り鳥であり、海を渡っていくだけの飛翔力と体力を有している」。

ヤマガラについて、このような記述があります。「昭和の半ばまでに生まれて、昭和の頃に東京にいた方なら、浅草の花屋敷の前で行われていた、ヤマガラに御御籤を引かせる芸をおぼえているかもしれない。この芸は30年ほど前まで、浅草に限らず、お祭りなどの際に、各地の神社の境内などで見ることができたため、地方在住の方でも見たことがある方がいるはずだ。鳥獣保護法の改正によって野鳥の飼育が完全に禁止されると、必然的にヤマガラも飼えなくなった。8百年以上も続いた日本伝統の鳥芸でもあった『ヤマガラの芸』も、その瞬間に地上から消滅した」。幼い頃、祖母に連れられて浅草寺に行った時は、必ずヤマガラに御御籤を引いてもらったことを懐かしく思い出しました。

東京では、インド、スリランカ産の鮮やかな緑色のワカケホンセイインコを見かけることがありますが、「(藤原)定家が見たインコも、アジア産のワカケホンセイインコかその近縁種だった可能性がある」と記されています。外来種でありながら、国の天然記念物に指定されているシラコバトの例を引いて、ワカケホンセイインコも「日本の鳥」になる日が来るだろうというのが、著者の見解です。野生のワカケホンセイインコは幸い、カメラに収めることができたので、次は、棲息数が減ってきている野生のシラコバトの写真を撮るべく、準備を進めているところです。