榎戸誠の情熱的読書のすすめ -3つの読書論・ことばのオアシス・国語力常識クイズ(一問一答!)-

世田谷一家殺人事件は、犯行動機を持つ主犯と、カネで雇われたプロの殺し屋の実行犯との「犯罪の分業制」だった・・・【情熱的読書人間のないしょ話(1673)】

【amazon 『外国人ヒットマン』 カスタマーレビュー 2019年11月15日】 情熱的読書人間のないしょ話(1673)

サフランが薄紫色の花を咲かせています。赤い雌蕊をスパイスにします。原種のガーベラ・ヤメソニーが赤い花を、シオンが薄紫色の花を付けています。トキワサンザシの赤い実が鈴生りです。マガモの雄、雄の若鳥、コガモの雌をカメラに収めました。因みに、本日の歩数は10,319でした。

閑話休題、『外国人ヒットマン』(一橋文哉著、KADOKAWA)に収められている「韓国 世田谷一家惨殺事件の謎」には、驚くべきことが書かれています。

2000年12月末、犯人が幼い姉弟2人を含む宮澤一家4人を皆殺しにした後、被害者のパソコンを操作し、メロンを皮ごと齧り、アイスクリーム5個を貪るように食べ、大便までして去った世田谷一家殺人事件は、多くの物証が残されていたにもかかわらず、未解決のままです。

自身の丹念な取材、調査を踏まえて、著者は事件をこのように推考しています。「まず、犯人(実行犯ではない)は宮澤さん一家と顔見知りで、何らかの事情で正面玄関用の予備の鍵を所持していた。12月30日午後11時前、(宮澤)みきおさんが外出中にその鍵を使って玄関から侵入した犯人(実行犯)はまず、中二階に上がり、子供部屋のベッドで寝ていた礼君の首を手で押さえて扼殺した。そして、帰宅して二階に上がってきたみきおさんに階段の途中で襲いかかり、揉み合った末に一階の階段下に突き倒して殺害した。みきおさんの頭部に包丁の刃先が突き刺さり、その破片が泰子さんらが寝ていたロフトに落ちていたことが、激しい格闘の様子を物語っている。実は、犯人は礼君を殺害する前に、二階の居間で着替えをした後、脱いだ衣服をきちんと畳んできれいに並べるなど『出陣の儀式』のような行動を取っている。犯人は階段を駆け上がり、他の家族を探した。泰子さんとにいなちゃんがロフトで寝ていることに気づくと、はしごを駆け上がって2人をメッタ刺しにするなど襲撃。刃先のない包丁が切れないことに気づくと一度、二階のキッチンに降り、持参した柳刃包丁を流し台に置き、代わりに宮澤さん宅の文化包丁を手にして引っ返した。母娘は踊り場で倒れていたが、その近くににいなちゃんの血が付着したティッシュペーパーが落ちており、犯人のいない間に泰子さんがにいなちゃんを連れて必死にはしごを降り、娘の止血を行っていたと考えられる。だが、その様子に気づいた犯人は情け容赦なく2人を襲い致命傷を与えた。踊り場の床が血の海と化していたのが何よりの証明である。しかも、『2人の遺体に傷口の違う刺し傷があった』(捜査員)といい、犯人は2人を襲った後、さらに切れ味の良い包丁に替えて2人に止めを刺したと見られる。泰子さんは愛娘を守ろうと必死に犯人に抵抗したことは、腕などに無数に残った防御創が証明しているが、それが犯人を興奮させ、死亡後も凶刃を振るうことに繋がった可能性がある」。

「犯人は自分の右手人さし指の付け根付近に傷を負い、キッチンの流し台に置いてあった鍋つかみなどで止血しようとしたがうまくいかず、持参した黒いハンカチを引き裂いて傷口を縛っている。だが、警察が『犯人は病院で治療を受けなければならないほど重傷を負った』とみて、逃走後に病院で張り込みを行ったが、功を奏さなかった。犯人はけがの状態を気にして泰子さんの生理用ナプキンまで使って傷口に応急処置しており、居間にも絆創膏などが散乱していた。さらに何かの儀式なのか犯人は剥がした血だらけの絆創膏を居間にあったノートの裏面に一枚ずつ貼り付けていた」。

「犯人が一家4人を皆殺しにしたのは、顔見知りで犯行がバレることを恐れて、と考えるのが順当だが、その割に犯行現場に多数の指紋や掌紋などを平然と残しており、仮に前科前歴がなかったとしても身元特定に繋がる『物証』を残すことは得策ではなく、疑問が残る行動と言える。またノートがあったソファには、宮澤さん夫妻の運転免許証や銀行のキャッシュカードなどが並べられ、暗証番号を割り出そうと試みた形跡があった。家中の物色痕や泰子さんが経営する学習塾の会費約20万円を奪っている点からカネ目当て説も捨て切れない。だが、犯人の行動はますます不可解になる。家中のタンスや書棚などの引き出しを全部開けて引っかき回し、中にあった書類や衣服、小物などをすべて床にぶちまけたのだ。また、犯人はみきおさんの仕事や趣味関係の書類、泰子さんが営む学習塾の生徒名簿やプリント、新聞折り込み広告など大量の書類を浴室に持ち込み、ハサミで切り刻んだり、手で引きちぎってから、水の張ってある浴槽にまとめて投げ込んでいた。浴槽にはほかに紙幣だけ抜き取られた夫妻の財布や泰子さんのハンドバッグなども投げ込まれていたが、犯人が止血に使った生理用ナプキンや、潰れたアイスクリームのカップ容器などさまざまな物品が浮沈しており、この事件の異様さがよく分かる光景だった」。

「犯人の探し方に投げやりな点が見受けられることから、第三者に何かを探すように依頼されたのではないか、と考える捜査員も多い。パソコン操作も同じ目的だ。・・・犯行現場には犯人がくっきりと残した血染めの足跡が60個もあり、27.5~28センチの大きな靴痕が家中を歩き回っている犯人の行動をはっきりと示している。いったい、何をしようとしていたのか」。

「宮澤さん一家の周辺には、言葉の発達が遅れ気味の長男の教育問題に絡んで親しく交流している『金田秀道』(仮名)氏という宗教団体に関係する在日韓国人の男性がいて、金田氏との間で金銭貸借をめぐりいろいろとトラブルがあったことが、世田谷一家惨殺事件の起きる原因となっている。・・・事業の失敗などで金に困っていた金田氏が宮澤家の(立ち退き料などの)財産を狙って、幼い頃から育ててきた『李仁恩』という(韓国人の)若者に宮澤さん一家の殺害を命じたのが事件の始まりだった」。

「李が世田谷事件の発生する10日前に日本に渡り、事件の翌日に台湾に出国していたことは、日本の入国管理局(現・出入国在留管理庁)の記録で確認出来ている。本人は私の直撃インタビューで犯行にかかわったことを否定しておらず、彼こそが『韓国から来たヒットマン』である可能性は極めて高いと言えるだろう」。すなわち、この事件は、恨みやカネ目当ての犯行動機を持つ主犯(金田秀道)と、カネで雇われた元軍人でプロの殺し屋の実行犯(李仁恩)との「犯罪の分業制」であったというのです。

慄然とせざるを得ません。