榎戸誠の情熱的読書のすすめ -3つの読書論・ことばのオアシス・国語力常識クイズ(一問一答!)-

自然観察が趣味の人間にとって、学びの多い一冊・・・【情熱的読書人間のないしょ話(1810)】

【amazon 『唐沢流 自然観察の愉しみ方』 カスタマーレビュー 2020年3月29日】 情熱的読書人間のないしょ話(1810)

『唐沢流 自然観察の愉しみ方――自然を見る目が一変する』に登場する野鳥、昆虫を私もカメラに収めていました。●舌の先端が細かく糸状に分かれているメジロ、●サクラの花蜜を吸うコゲラ、●ラミーカミキリ、●ヨコヅナサシガメの幼虫、羽化直後の成虫、成虫(羽化直後の成虫は赤色だが、時間が経つと黒色に変わる)、●エサキモンキツノカメムシ。

唐沢流 自然観察の愉しみ方――自然を見る目が一変する』(唐沢孝一著、地人書館)は、私のような自然観察が趣味の人間にとっては、学びの多い一冊です。

「満開の桜花に浮かれる、人も鳥も」の章では、吸蜜の本命はヒヨドリとメジロとあります。「どちらも細く尖った嘴をしており、花に差し込んで吸蜜しやすい。しかも、メジロの舌の先端は細かく糸状に分かれており、吸取紙のように効率的に吸蜜することができる」。我が家の庭の餌台にやってくるメジロを撮影した中に、舌が写っている一枚があり、その形状にびっくりしたのは、つい先日のことなのです。

「意外な鳥が桜花を利用していることもわかってきた。・・・コゲラが桜の花に嘴を差し込んでいる写真も添えられていた。コゲラといえば枯木の中の昆虫をつついて食べる鳥だと思っていたので、花蜜を吸うコゲラの写真は衝撃的であった」。実は、私も、つい先日、同じ経験をしたばかりです。サクラの花に群がるヒヨドリ、メジロにコゲラが交じっているのに気づき、慌ててカメラに収めました。残念ながら、吸蜜シーンそのものは撮れなかったが、確かに吸蜜していました。コゲラが樹木の内部に潜む昆虫を食べるところは何度も目にしたことがあるが、吸蜜を目撃したのは初めてだったので驚いたのです。しかし、本書のおかげで納得がいきました。

「日本列島を北上する蝶」の章では、ツマグロヒョウモン、クロコノマチョウ、ナガサキアゲハ、アカホシゴマダラ(アカボシゴマダラ)などが取り上げられているが、いずれも、私が居住する千葉県柏市や流山市では、よく目にする種なので、彼らが近年、北上してきたチョウとは知りませんでした。

「鳥にとっても目新しい昆虫たち」の章では、ラミーカミキリ、ヨコヅナサシガメ、エサキモンキツノカメムシなどが登場するが、彼らも近年、北上してきた昆虫だったとは! 私の居住地域で、いずれもカメラに収めたことがあるからです。