榎戸誠の情熱的読書のすすめ -3つの読書論・ことばのオアシス・国語力常識クイズ(一問一答!)-

信頼できる書評家の書評集は、読むべき本を見つける近道だ・・・【情熱的読書人間のないしょ話(1814)】

【amazon 『いつだって読むのは目の前の一冊なのだ』 カスタマーレビュー 2020年4月1日】 情熱的読書人間のないしょ話(1814)

ツバメ、アワビ、サザエをカメラに収めました。アイスプラントは、葉の表皮に体内の塩類を隔離するための細胞があるため、凍ったように見えます。我が家の庭の片隅で、雨に打たれながらムラサキケマンがひっそりと咲いています。

閑話休題、信頼できる書評家の書評集は、読むべき本を見つける近道です。『いつだって読むのは目の前の一冊なのだ』(池澤夏樹著、作品社)は、16年分の書評が収録されているので、厚さが3.6cmあります。

既に読んだ本が意外に多いのに驚いたが、単に池澤と私の本の好みが似通っているせいなのか、池澤の書評に誘われて読んだものなのか、定かではありません(笑)。

私が読みたくなった1冊目は、『もう牛肉を食べても安全か』(福岡伸一著)です。私たち夫婦は、BSE(狂牛病、牛海綿状脳症)が怖いので、オーストラリア産か国産のものしか食べないようにしているからです。

2冊目は、著者のリジヤ・アヴィーロワとアントン・チェーホフの結ばれなかった恋が記されている『私のなかのチェーホフ』です。

3冊目は、面白く読んだ『悪童日記』、『ふたりの証拠』、『第三の嘘』の著者、アゴタ・クリストフの自伝『文盲 アゴタ・クリストフ自伝』です。クリストフが自伝を書いていたとは知りませんでした。

4冊目は、ナイル川の源流探しを競ったバートンとスピークの探検とその後の論争、そして意外な結末を扱った『白ナイル』(A・ムアヘッド著)です。

5冊目は、植物の戦略が解説されている『イタヤカエデはなぜ自ら幹を枯らすのか――樹木の個性と生き残り戦略』(渡辺一夫著)です。

6冊目は、進化論を分かり易く、しかもスリリングに教えてくれるという『ダーウィンの夢』(渡辺政隆著)です。

7冊目は、伊藤比呂美らしさが存分に発揮されている『たどたどしく声に出して読む歎異抄』(伊藤比呂美訳著)です。

8冊目は、『写真家ナダール 空から地下まで十九世紀パリを活写した鬼才』(小倉孝誠著)です。バルザック、ボードレール、デュマ、ジョルジュ・サンド、サラ・ベルナールを撮影した写真家ということなので、俄然、興味が湧いてきました。

9冊目は、人の心の奥まで入ってゆくと評されている文体で綴られた『死してなお踊れ 一遍上人伝』(栗原康著)です。

10冊目は、『悲劇文学の発生・まぼろしの豪族和邇氏』(角川源義著)です。アメノウズメや稗田阿礼は和邇一族であり、その上、稗田阿礼は女性だというのだから、これは読まずに済ますわけにはいきません。

何と、読みたい本が10冊も増えてしまいました。