榎戸誠の情熱的読書のすすめ -3つの読書論・ことばのオアシス・国語力常識クイズ(一問一答!)-

本書のおかげで、中世ヨーロッパに関する疑問を解消することができた・・・【情熱的読書人間のないしょ話(3727)】

【読書の森 2025年6月9日号】 情熱的読書人間のないしょ話(3727)

ニホンアカガエルの幼生(写真1、2)、メダカ(写真3)、ササグモ(写真4)、ホシハラビロヘリカメムシ(写真5)をカメラに収めました。公園内に、コウノトリの繁殖を願って繁殖用鉄柱が設置されました(写真6)。

閑話休題、『物語のある 中世ヨーロッパ解剖図鑑』(河原温監修、かみゆ歴史編集部編著、エクスナレッジ)のおかげで、中世ヨーロッパに関する数々の疑問を解消することができました。

●階級
階級制度はなく、3つの身分のみがあった。祈る人(教皇、司祭、修道士)、戦う人(皇帝、王、騎士)、働く人(農民、職人、商人)。働く人の中にも、富裕層、中産層、下層と経済格差があった。

●カトリック教会の階層制
上位から、教皇庁(ローマ教皇、枢機卿)、司教区(大司教、司教)、教区(司祭、下級聖職者)。

●信仰
キリスト教が人々の暮らしに組み込まれた。

●修道院
シトー修道会(11世紀、労働を重んじた)、ドミニコ修道会(13世紀、学問を担った)、フランシスコ修道会(13世紀、清貧を徹底した)。

●ゴシック建築
これまで主流だったロマネスク様式(石材を使った半円アーチや壁、柱が重厚で、教会の高さは低かった)の問題を解消するため、ゴシック様式(尖塔アーチやリブ・ヴォールト、飛梁<フライング・バットレス>などで、高さや装飾を強調した)へ。

●大聖堂のステンドグラス
文字が読めない人々にとっての「聖書」であった。

●貴族の爵位
上位から、公爵、侯爵、辺境伯(外敵の侵入の危険性がある国境付近の支配を皇帝・国王から任された)、伯爵、子爵、男爵。

●イングランド王リチャード1世(騎士の鑑といわれた「獅子心王」)の母
アリエノール・ダキテーヌは、中世随一の「すごい人」。フランス貴族の出身で、フランス王妃となり、その後、フランス王と離婚し、イングランド王ヘンリ2世と再婚、リチャードとジョンを産んだ。

●ウィリアム1世
フランスの侯爵ギョームが王位継承戦を制して新しいイングランド王ウィリアム1世になった。フランス王の家臣でありながらイングランド王となったため、両国の関係はこの後の百年戦争までこじれることになった。

●職人制度
ギルドと呼ばれる同業組合は、親方と職人で構成され、その下に徒弟がいた。

●ピエール・アベラール
哲学者。恋人であるエロイーズとの書簡をまとめた『アベラールとエロイーズ――愛と修道の手紙』で知られている、二人は教授と教え子という関係だったが結婚。しかし、アベラールはエロイーズの叔父の差し金で睾丸を切り落とされ、離れ離れになった二人は修道士、修道女(後に修道院長)となった。