榎戸誠の情熱的読書のすすめ -3つの読書論・ことばのオアシス・国語力常識クイズ(一問一答!)-

吸血動物ヤマビルが増えた理由を、子どもたちが突き止めた・・・【情熱的読書人間のないしょ話(2403)】

【読書クラブ 本好きですか? 2021年11月15日号】 情熱的読書人間のないしょ話(2403)

ハシビロガモ(写真1)の雄、雌をカメラに収めました。小鳥の羽が散らばっています(写真2~4)。何者かに襲われたようです。イチョウ(写真5~8)が黄葉しています。ユリノキ(写真12)がすっかり葉を落としています。秋色深し。

閑話休題、『ヒルは木から落ちてこない。――ぼくらのヤマビル研究記』(樋口大良・子どもヤマビル研究会著、山と溪谷社)を読んで、子どもたちの探求心に驚かされました。吸血動物ヤマビルが増えた理由を突き止めてしまったのですから。著者・樋口大良の的確なサポートがあったにしてもです。

2011年4月、三重県四日市市にある四日市市少年自然の家の一角で、12名の小中学生が集まって、ヤマビルの研究がスタートし、毎年、会員3~6名が研究を続けています。

この子どもヤマビル研究会が明らかにしたことは。下記のとおりです。

●木の下を人や動物が通ると、体温に反応してヤマビルが落ちてくる→「落ちてこない」が正しい。

●ヤマビルに塩をかけると死ぬ→食塩を直接かけるとすぐに死ぬが、食塩水の場合は塩分濃度2.5%以上でないと死なない。

●ヤマビルは人間の身体を上ってきて、首の血を吸う→足元から上り、早いものは数分で首まで達するが、その頻度は高くない。

●シカがヤマビルを全国に広げた→山の高い所にいたヤマビルが、大雨の流れによって下流地域に運ばれ、広がった。ヤマビルを山の高い所に運んだのは、棲息域を山の高い所まで広げたシカだが、シカ以外の動物も同様の役割を果たしているようだ。

●ヤマビルが吸うのは生き血だけ→正しい。

●この研究会の目的は、科学する心を子どもたちの身につけさせること→成功。