金属的な光沢を有する甲虫の写真集・・・【情熱的読書人間のないしょ話(204)】
バラ園はいろいろな品種の秋バラの香りに包まれていました。女房も好みのバラをカメラに収めようと一所懸命です。ツワブキの黄色い花が咲き出し、日本庭園に趣を添えています。野草のホトトギスが、野鳥のホトトギスの胸を思わせる紫色の斑点のある花を咲かせていました。因みに、本日の歩数は12,066でした。
閑話休題、『きらめく甲虫』(丸山宗利著、幻冬舎)は、金属的な光沢を有する煌びやかな甲虫ばかりを収録した写真集です。コガネムシ科、オサムシ科、タマムシ科、ゾウムシ科、カミキリムシ科、ハムシ科の代表選手たちが金蔵光沢度を競うオリンピックのようです。
コガネムシ科では、ルターツヤマルハナムグリ(インドネシア)、アカアシツヤマルハナムグリ(インドネシア)、モンキマダガスカルハナムグリ(マダガスカル)、キンギンコガネ(コスタリカ)、プラチナコガネ(パナマ)、コウテイニジダイコクコガネ(アルゼンチン)、ラトレイユキンイロクワガタ(オーストラリア)に目を瞠ってしまいました。
タマムシ科では、ムネモンケブカフトタマムシ(パキスタン)、キオビオウサマムカシタマムシ(インドネシア)、ニシキカワリタマムシ(マダガスカル)、フルーストルファーオオアオコメツキ(ベトナム)のあまりにも奇抜な紋様に度肝を抜かれてしまいました。世界のタマムシに伍して、日本のヤマトタマムシも頑張っています。
カミキリムシ科のムラサキゴマダラカミキリ(ベトナム)の上品な美しさには息を呑みました。
ハムシ科のニジモンコガネハムシ(マレーシア)にはびっくり仰天です。火柱のような模様も素晴らしいのですが、驚くのは後脚の太さです。まるでカエルの足みたいなのです。
甲虫がこんなに煌めくのは、なぜでしょうか。著者は3つの理由を挙げています。第1は天敵である鳥に対する警告・牽制、第2は強烈な日差しが降り注ぐ熱帯地域における隠蔽効果、第3は太陽光を反射しての体温調節――のためだと説明されています。