身近な野鳥について、こんなに知らないことがあったなんて・・・【情熱的読書人間のないしょ話(1235)】
植物観察会に参加しました。ナンテンハギ(フタバハギ)、キツネノマゴ、ハエドクソウ、イヌコウジュ、ヤブタバコ、コセンダングサ、アラゲハンゴンソウ(キヌガサギク)、センボンヤリ、セイバンモロコシ、セイタカアワダチソウ、ヤブミョウガ、ホウチャクソウ、イヌツゲを観察することができました。
閑話休題、『鳥類学者の目のツケドコロ』(松原始著、ベレ出版)は、鳥類学者による身近な野鳥たちの観察記録です。本書で取り上げられているのはハシブトガラス、ハシボソガラス、ミヤマガラス、コクマルガラス、スズメ、ツバメ、サギ類、セキレイ類、ヒヨドリ、カワセミ、カモ類、チドリ類、イソヒヨドリ、チョウゲンボウ、ハヤブサ、トビ、ウグイスと、よく知っているつもりになっていた野鳥ばかりですが、意外な特徴・習性が満載で、大変勉強になりました。
例えば、ミヤマガラスは、このように紹介されています。「ミヤマガラスのメスの戦略はずいぶん、したたかなものだとわかります。もちろん、地位の高い、デキるオスとペアになるのが一番なのですが、そうもいかない場合、とりあえずオスを捉まえて営巣し、ヒナを育てる助っ人に採用します。ミヤマガラスは集団営巣なので、オスがちょっとくらいダメな奴でも、それで繁殖に失敗するとは限りません。一方、地位の高いオスが言い寄ってくれば拒まずに交尾し、質の高い遺伝子だけはもらっておきます。こうして、自身の遺伝子を確実に後世に残そうとしているのでしょう。ペアのオスをだまくらかすことになりますが、おそらく、動物にはそういった罪悪感はないでしょう」。
近年、都市部でも見られるようになってきた美しいイソヒヨドリについて。私も探し回って漸く、オスとメスをカメラに収めることができたのですが、その時、耳にしたオスの美声を何と表現したらよいのか、頭を悩ませた結果、結局、諦めました。「繁殖期になると、オスは高いところに止まってさえずります。非常に長く、美しい歌です。どんな声とも書き表しにくいのですが、無理に文字にすれば、『フィロロロ。ツーフィー、フィフィフィ、フィーチョチョ、フィーリー』といった調子でゆったりと続きます。オオルリのさえずりにもちょっと似ていますし、クロツグミやアカハラのさえずりを聞いたことがあれば、『音質が似ている』と感じるかもしれません」。
鳥の分類について、最新情報が語られています。●チョウゲンボウやハヤブサなどのハヤブサ科の鳥類は、ワシ・タカとはそれほど近縁ではなく、インコ・オウムの仲間、●フラミンゴは、カイツブリおよびハトと近縁、●コンドルは、ワシ・タカよりもコウノトリと近縁――だそうです。本当に、分類は難しいですね。