ほのぼのとしたイラスト+専門家のアドヴァイス+具体的な対処法――で、老いを考える・・・【情熱的読書人間のないしょ話(1768)】
雛祭りが近づいてきましたね。
閑話休題、『老いる自分をゆるしてあげる。』(上大岡トメ著、幻冬舎)は、類書には望めない3つの魅力を備えています。
魅力の第1は、53歳になって自らの老いが気になり出した著者・上大岡トメが、老いのいろいろについて、不思議な老女・アンから教えられたことを、ほのぼのとしたイラストで表現していること。
魅力の第2は、扱われている内容が、近藤祥司、桜木晃彦、田中尚喜、池谷裕二、木村容子という、その道の専門家から学んだ知識に基づいていること。
魅力の第3は、老いにどう対処したらよいのかが、睡眠、食事、運動、感情の4面から具体的に示されていること。
睡眠は、脳をクールダウンさせるにも重要。12時前にベッドに入る。最低6時間、理想は7時間半の睡眠時間確保。夜ぐっすり眠れないときは、昼間の「ちょこっと寝」。ただし、夜の睡眠に影響しないよう30分未満。
食事の朝・昼・晩の割合は、10:8:6。晩ごはんから就寝まで3時間あける。胃の中に食物が残っていると、ぐっすり眠れない。旬のものをバランスよく食べる。好きだからといって、1種類のものを食べすぎない。腹8分目を心がける。
運動量は汗をじわっとかくくらい。やりすぎない。習慣にする。
感情面では、考えても解決しないことをクヨクヨ考えない。嬉しくても楽しくても、「気」は減ることを知る。
●トメ=あんまり目新しいことはないですね。よく言われてることだし。●アン=トメさんは全てを実践されてるのかしら。1回2回はできても、それを「継続」することが大事!! 知っていると、やっているとは、大違い~!!
●アン=自分の中で優先順位をつけて、エネルギー配分をしないと! ●トメ=優先順位!! ●アン=私はね、人生を愉しむために一番大切だと思っていることがあるの。それは――好奇心を失わないこと。●トメ=アインシュタイン!! ●アン=好奇心は行動を起こす原動力になるわ。いつもと違う道を通る。知らない場所に行く。本を読む。好奇心が動くと目標ができる。目標ができると行動が変わる。すると、今までしたことがない経験ができる! 目標は人生を彩ってくれるわ~。私が好奇心を持ち続けるには、「気(エネルギー)」が必要。だから、早めにこまめに養生。これは人生を自分らしく生き抜くための戦略。ムダなことにエネルギーを使っている余裕はない。そして、さらに好奇心を満たすために、時には、ハメをはずす。●トメ=アンさんにとって「老化」って何ですか? ●アン=自分が何を大切にしたいかハッキリさせること。できることも時間も限られてくるからね、トメさん。まずは、老いていく自分のカラダをゆるしてあげて。
明日と言わず、今日から早速、アンさんの教えを実践しようと意気込む私。