榎戸誠の情熱的読書のすすめ -3つの読書論・ことばのオアシス・国語力常識クイズ(一問一答!)-

裏切りに裏切りを重ねた呂布が、部下の裏切りに遭い、遂に命を失う・・・【山椒読書論(578)】

【読書クラブ 本好きですか? 2021年8月20日号】 山椒読書論(578)

横山光輝のコミックス『三国志』(横山光輝著、潮出版社、希望コミックス・カジュアルワイド、全25巻)は、羅貫中の小説『三国志演義』→吉川英治の小説『三国志』の流れを汲んでいる。

第6巻 呂布の末路」――。曹操と劉備が手を結んで自分を討つ企みを知った呂布は、皇帝を自称する袁術と同盟しようと試みる。

呂布に敗れた劉備は、曹操に助けられる。

曹操軍に包囲され、水攻めに苦しむ呂布は、袁術との同盟が進まず、焦慮に駆られる。

部下の裏切りによって生け捕りにされた呂布は、曹操の命で斬首される。「ここに波乱の人生を送った呂布も、その生涯を閉じた。思えば、呂布の人生は時代がそうさせたとはいえ、裏切りの人生であった。そして最期は家来の裏切りによって、その幕を閉じたのである」。

丞相・曹操の専横により、曹操の操り人形に過ぎなくなった帝は、忠義に篤い車騎将軍・董承に曹操を討てとの密詔を与える。董承は曹操打倒の血判状をつくり、仲間集めに奔走する。劉備は、その血判状の7番目に名を連ねたのである。