「天下三分の計」を実現すべく、孔明は孫権説得のため、単身、呉に向かう
横山光輝のコミックス『三国志』(横山光輝著、潮出版社、希望コミックス・カジュアルワイド、全25巻)は、羅貫中の小説『三国志演義』→吉川英治の小説『三国志』の流れを汲んでいる。
「第10巻 孔明の大論陣」では、孔明と呉の若き水軍提督・周瑜の智謀が火花を散らします。
「孔明には夏侯惇率いる10万の兵がやられ、新野では曹仁率いる第一軍10万が手痛い目にあっている。うかつに進めぬぞ」。劉備討伐が思うに任せぬ曹操は、怒りを募らせます。
それならば、呉を脅して降伏させようと国境まで進軍してきた曹操軍は、総数85万、号して100万。呉の重臣たちは、曹操に降伏すべき派と、劉備と手を結ぶべき派に二分し、孫権は迷いに迷います。
呉の参戦なくば「天下三分の計」は成らないので、孔明は孫権を説得すべく、単身、呉に向かいます。
「今、この(孫権の信頼を一身に集める、若き水軍提督)周瑜が開戦か降伏かの最後のカギを握る人物となった」。
孔明の慧眼と智慮が将来、呉の禍となることを恐れた周瑜は、孔明暗殺を謀るが失敗に終わります。