『徒然草』は過激な思想書だと断言する過激な本・・・【山椒読書論(665)】
【読書クラブ 本好きですか? 2022年2月12日号】
山椒読書論(665)
『100冊の自己啓発書より「徒然草」を読め!』(適菜収著、祥伝社新書)は、『徒然草』は過激な思想書だと断言している。
人間の本質が見え過ぎるほど見えてしまった兼好法師が、『徒然草』で言っているのは、こういうことだと、著者は主張する。
●世論に流されるな!
●薄汚い人間になるな!
●高を括るな!
●知ったような顔をするな!
●不安に支配されるな!
●ひるむな!
●本当のことだけを言え!
●あらゆる縁を捨て去ってしまえ!
●信頼関係や礼儀などクソくらえだ!
●頭がオカシイと言いたければ言え!
●正気を失っていると言え!
●人情に欠けていると言え!
●人が文句を言おうが褒めようが知ったことではない。
『徒然草』の文章を引きながら、兼好法師の考え方が解説されている。
●巨富は身を滅ぼす。
●強大な者が最初に滅ぶ。
●人の命は短い。
●死を見据えよ。
●思いかけぬは死期なり。
●一人の世界を大切にする。
●危険な恋ほど面白い。
●老人こそ謙虚であれ。
正直に言うと、この著者は兼好法師より、よほど過激に見える。