恐竜類が登場する直前の地球の生物たち・・・【情熱的読書人間のないしょ話(2790)】
サザンカ(写真1~3)、シクラメン(写真4~13)が咲いています。
閑話休題、『前恐竜時代――失われた魅惑のペルム紀世界』(土屋健著、佐野市葛生化石館監修、かわさきしゅんいち絵、ブックマン社)のおかげで、ペルム紀の生物について多くのことを学ぶことができました。
●今から約2億8000万年前のペルム紀は、超大陸の時代だった。当時は全ての大陸が1カ所に集まって地続きとなっていた。当時の地球は冷え込んでいた。
●ペルム紀には、哺乳類も恐竜類もまだいない。哺乳類ではない単弓類が支配する生態系が存在した。
●ペルム紀に君臨した単弓類の代表はディメトロドンで、見た目はトカゲに似ている。尾が長く、頭部はやや大きい。短くてがっしりとした四肢は、同じ単弓類である哺乳類とは異なり、体の真下ではなく、先ず側方に向かって伸びている。口の中には、肉食性であることを示す鋭く大きな歯が並ぶ。背中に「帆」を持っている。
●ディメトロドンの「帆」とは、正しくは、背骨を作る椎骨にある「棘突起」と呼ばれる部分で、細く、長く、上方へ伸びている。それは体の前部と後部で低く、背中の中央付近で最も高い。この細い突起の連なりの間に皮膚の膜が張られ、それが「帆」となっていたと考えられている。
●ディメトロドンの全長は3m超で、体重は260kg。
●ディメトロドンは熱交換器である「帆」を持つことで、狩人としての優位性を保っていた可能性がある。他の動物がまだ体温を上昇させることができず、活発に活動できない早朝に、いち早く体温を活動域まで上げることができたディメトロドンは、容易に獲物を得ることができたと考えられている。
●ペルム紀の前半期を代表する単弓類はディメトロドンだが、後半期を代表する単弓類はイノストランケヴィアである。
●ペルム紀末の大量絶滅事件が終わり、ペルム紀では少数派だった真爬虫類を主役とする中生代が始まる。いわゆる恐竜時代である。