ヒマラヤ山中の氷河湖で発掘された200年前の人骨のDNAが、4年前に失踪した妹のDNAと一致した・・・【情熱的読書人間のないしょ話(3724)】
【読書の森 2025年6月7日号】
情熱的読書人間のないしょ話(3724)
東京・杉並の荻窪~浜田山を巡る散歩会に参加しました。近衛文麿の旧宅「荻外荘(てきがいそう)」をじっくり見学することができました。なお、荻外荘は、私が育った家から50mほどの所にあります。因みに、本日の歩数は17.971でした。
閑話休題、『一次元の挿し木』(松下龍之介著、宝島社文庫)では、何とも不可思議な事態が発生します。
ヒマラヤ山中の氷河湖で発掘された200年前の人骨のDNAが、4年前に失踪した妹のDNAと一致した――この謎を解こうと、大学院の博士課程で遺伝人類学を学ぶ「僕」は、調査を開始します。4年前、義理の妹と僕は、誰にも秘密にして、愛し合っていたからです。
最後に至り、明らかにされた真相は、想像を絶するものでした。
読み終えた時、趣は異なるものの、『アルジャーノンに花束を』を想起しました。『アルジャーノンに花束を』を技術的にさらに深化させている印象と言ったら、種明かしになってしまうでしょうか。
ミステリとSFが有機的に融合している稀有な作品です。