秀才に　寿命だけ勝ちと　通夜の席･･･【山椒読書論（839）】

『シルバー川柳　永久に不滅編――笑いあり、しみじみあり』（みやぎシルバーネット・河出書房新社編集部編、河出書房新社）は、思わず頷いてしまう川柳がてんこ盛り。

●老いらく道　ちょい飲みちょい漏れ　ちょいと惚れ
●老いが来た　目にきた歯にも　脳にきた
●倍速で　聞き流したい　妻小言
●七十代　目覚まし代わり　あゝ尿意
●不眠症　不倫しようと　聞き違い
●お世辞にも　変わりないねと　言えぬ友
●電子マネー　現金減らず　小金持ち
●孫5才　ばあばに絵本　読み聞かせ
●息子より　詐欺師のほうが　マメだった
●万歩計　つけてるうちが　華だった
●陽だまりに　爺婆集いて　医者の愚痴
●後妻サギ　預金見せたら　逃げられた
●儲かるなら　アナタやってと　電話切る
●何もかも　居心地悪い　世となりて
●秀才に　寿命だけ勝ちと　通夜の席

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