われ男(お)の子意気の子名の子つるぎの子詩の子恋の子ああもだえの子・・・【ことばのオアシス(114)】
【薬事日報 2013年2月8日号】
ことばのオアシス(114)
われ男(お)の子意気の子名の子つるぎの子詩の子恋の子ああもだえの子
――与謝野鉄幹
新詩社を起こし、文芸誌「明星」を刊行し、与謝野晶子を愛し、晶子を正当に評価し、晶子を育てた与謝野鉄幹の原動力を最もよく表している短歌。
詩歌の革命を志した鉄幹の「明星」によって「和歌」は「短歌」となり、ここから晶子、山川登美子、石川啄木、北原白秋、上田敏、吉井勇、木下杢太郎らが巣立っていった。
鉄幹の編集者としての卓越した才能は、晶子というベストセラー歌人を生み出した。積極的に女性を抜擢した鉄幹の狙いは見事な成功を収めたのである。
「明星」は女性誌ブームの波頭を切る女性メディアでもあったのだ(『晶子とシャネル』<山田登世子著、勁草書房>)。
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