「?」、「!」・・・【山椒読書論(246)】
【amazon 『レ・ミゼラブル』 DVD『レ・ミゼラブル』 カスタマーレビュー 2013年7月30日】
山椒読書論(246)
波瀾万丈の生涯を送った、ロマン主義を代表する詩人・作家のヴィクトル・ユゴー。
16年余をかけて書き上げた『レ・ミゼラブル』(ヴィクトル・ユゴー著、豊島与志雄訳、岩波文庫、全4冊)の出版直後、海外旅行に出発したユゴーは、売れ行きが心配で、発行元のラクロワ書店に手紙を送ったのだが、そこには「?」とだけ書かれていた。
これに対し、ラクロワ書店からユゴーに送られた返信には、「!」とだけ記されていた。
「売れ行きはどうか?」というユゴーの問いに、「上々の売れ行きです!」と応じたわけだ。この作品に注いだユゴーの長年の努力が報われた瞬間であり、事実、数日で売り切れになったという。
『レ・ミゼラブル』は何度も映画化されているが、原作の味わいを巧みに表現しているDVD『レ・ミゼラブル』(ジャン・ポール・ル・シャノワ監督、ジャン・ギャバン、ベルナール・ブリエ出演、アイ・ヴィー・シー)を超える作品には、その後、出会えていない。