才色兼備の先妻の影に悩む新妻の物語・・・【山椒読書論(341)】
【amazon 『レベッカ』 カスタマーレビュー 2013年12月15日】
山椒読書論(341)
『レベッカ』(ダフネ・デュ・モーリア著、大久保康雄訳、新潮文庫、上・下巻。出版元品切れだが、amazonなどで入手可能)は、原作も映画もともに素晴らしいという誠に珍しい作品である。
名家に後妻として入った「わたし」を強く悩ませたのは、今は亡き才色兼備の先妻の影であったが、やがて、思いもかけぬ真相を覆っていたペールが剥がされていく。
この作品には、サスペンスのみならず、ロマンの香気も立ち込めている。
なお、翻訳に関してだが、同じ新潮文庫の新訳よりも、この大久保訳を薦めたい。