『蒼ざめた馬を見よ』は読者を蒼ざめさせる・・・【山椒読書論(344)】
【amazon 『蒼ざめた馬を見よ』 カスタマーレビュー 2013年12月16日】
山椒読書論(344)
五木寛之の初期の作品には、瑞々しい清新さが満ちていた。『蒼ざめた馬を見よ』(五木寛之著、文春文庫)を初めて読んだ時の興奮がありありと甦ってくる。
ジャーナリストが危険を冒して成し遂げた任務の裏に隠されていた、国際的な謀略。
いわゆる推理小説ではないが、二転、三転する展開に戸惑っているうちに、著者自身の表現を借りれば、私たち読者はこの作品に「噛まれて」しまう。