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劉備が三顧の礼を尽くし、諸葛孔明を軍師に迎える・・・【山椒読書論(581)】

【読書クラブ 本好きですか? 2021年8月23日号】 山椒読書論(581)

横山光輝のコミックス『三国志』(横山光輝著、潮出版社、希望コミックス・カジュアルワイド、全25巻)は、羅貫中の小説『三国志演義』→吉川英治の小説『三国志』の流れを汲んでいる。

第9巻 三顧の礼」では、遂に、稀代の軍師・諸葛孔明が登場します。

「北方を完全に制覇した曹操は、南方侵攻の準備を着々と進めていた」。

劉備は、敵との実戦で軍師の重要性を思い知ります。「そのお方の名は何と申す」。「村人は伏竜先生と呼んでいます。本名は諸葛亮、字は孔明。私の知ってる限り、まず当代の大天才でございます」。

「こうして(劉備)玄徳は二度目も孔明に会うことができず、吹雪の中を新野(しんや)に引き返したのだった」。

三顧の礼を尽くした劉備は、27歳の孔明を軍師に迎え入れることに成功します。その孔明が劉備に進言した策は、この国を統一することは諦め、天下を三分――曹操の魏、孫権の呉、劉備の蜀――すべきというものです。

「ついに南方攻略の(曹操の)号令は下った。たちまち10万の軍が編成され、総大将に夏侯惇をいただき新野へと向かった」。

孔明の作戦が見事に奏功し、劉備軍は大勝利を収めます。

これを受けて、曹操は心を決めます。「これ以上、玄徳をのさばらしておくわけにはいかんのう。よし、この機会に南方を平らげるか。みなの者、よく聞け。これより南方に出陣し、玄徳、呉の孫権を平らげる」。

「ついに、曹操は南方攻略の号令を下した。総数50万の大軍である」。