榎戸誠の情熱的読書のすすめ -3つの読書論・ことばのオアシス・国語力常識クイズ(一問一答!)-

福島原発事故の医学的・生態学的影響の知られざる真実・・・【情熱的読書人間のないしょ話(206)】

【amazon 『終わりなき危機』 カスタマーレビュー 2015年10月25日】 情熱的読書人間のないしょ話(206)

野草観察会に参加しました。紅葉しているタコノアシが見つかりました。球形の萼がコバルトブルーに染まったイシミカワも見つかりました。その葉にはナナホシテントウの幼虫がいました。ピンクの花を付けたアカツメクサ(ムラサキツメクサ)はシロツメクサ(クローバー)と同じくシャジクソウ属に属しています。一時、花粉症の犯人と騒がれたセイタカアワダチソウは虫媒花なので無実で、真犯人は風媒花のオオブタクサということです。因みに、本日の歩数は12,742でした。

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閑話休題、『終わりなき危機――日本のメディアが伝えない、世界の科学者による福島原発事故研究報告書』(ヘレン・カルディコット監修、河村めぐみ訳、ブックマン社)は、ヘレン・カルディコットが2013年3月にニューヨーク医学アカデミーで開催した福島原発事故の医学的・生態学的影響についてのシンポジウムにおける発表を編集したものです。世界有数の科学者、疫学者、物理学者、医師から福島に関する最新のデータと研究結果が発表され、この中には原子力産業にも一般大衆にも知らされていない重要な情報が含まれています。

崎山比早子は、「日本国民すべての責任は、日本のすべての原子炉を完全に停止することだ」と主張しています。

アレクセイ・V・ヤブロコフは、「原子力発電は、核兵器と同じくらいの危険を、人類と地球にもたらす」と警告を発しています。

ロバート・アルバレスは、「保管場所を準備するより先に廃棄物を出すのは本末転倒である」と怒りを表明しています。

デイヴィッド・フリーマンは、「原子力発電が安あがりだったことはないし、これからも決してそうならない』と明言しています。

進化生物学者のティモシー・ムソーは、チェルノブイリと福島の立ち入り禁止区域内の鳥類、哺乳類、昆虫における突然変異、先天性異常、腫瘍の調査結果を発表しています。「鳥類の腫瘍、白内障、遺伝子変異、不妊、脳の萎縮が高確率で発生していることが明らかになった。動物に起こり得ることは人間にも起こる」。

原発推進派か原発反対派かを問わず、必読の一冊です。