ムーミンの仲間たちとトーベ・ヤンソンのことをもっと知りたい人に・・・【情熱的読書人間のないしょ話(236)】
愛知県・香嵐渓のモミジは、地元の人たちの話では、今年は霜が降りなかったので色づきが今一つということで、正直言って物足りなさが残りました(1~4枚目の写真)。3年前に訪れた時は、鮮紅色に息を呑みました(5~6枚目の写真)。
閑話休題、『ムーミンとトーベ・ヤンソン』(マグヌス・パルム編、花水友子訳、実業之日本社)は、ムーミン大好き人間には堪らない大型本です。
トーベ・ヤンソンとムーミンの仲間たちについての情報満載で、彼らの世界が生き生きと立体的に浮かび上がってきます。
私にとって意外だったことが、いくつかありました。
「それはびっくりするほど多くの人が出入りする生活で、そうしたことすべてがムーミンの世界観を形作る土台となっているのです。芸術、文学、そして政治、規律正しい労働、アルコールと煙草、情熱的な恋愛関係――はじめのうち相手は男性で、やがては女性と――これらがすべて当時のトーベの暮らしに根を張り、やがてはムーミンの本の中で花開いたのです」。
「すべての始まりは(ムーミンの)本でした」。
「ムーミンが世界的に大ヒットするきっかけとなったコミックス――ムーミン・コミックスの連載と並行して、トーベ・ヤンソンはこれまで通りムーミン本の執筆や挿絵の製作を続け、それらは相乗効果を生みだしていました。コミックスでは、それまでの登場人物と匹敵するほどの人気者となる新しいキャラクターも誕生しました。スティンキーです。コミックスは冒険的で自由なタッチで描かれてはいましたが、内容的にはムーミン本よりも哲学的で、より大人向けに描かれました」。
「ムーミン関連の仕事に疲れ果てていたトーベは仕事の負荷を軽減するため、1950年代の終盤にはムーミン・コミックスの原案作りを弟のラルス・ヤンソンに任せるようになりました。・・・彼はひと月ほどトーベから絵の手ほどきを受けると、その後15年にもわたってムーミン・コミックスの執筆を続けたのです」。
「大人気となった映画とテレビシリーズ」。
ムーミンの世界に登場するヨクサルについては、こう説明されています。「放浪者ヨクサルはボヘミアンな息子スナフキンとそっくり。でも帽子に付けているのは、ヨクサルは輪飾り、スナフキンは羽飾りと違います」。帽子の飾り以外は、ヨクサルとスナフキンは何から何までそっくりなので、ビックリポンです。
2ページ見開きの「ムーミンと仲間たちの関係が一目でわかるキャラクター相関図」は、彼らの複雑な相互関係を理解するのに非常に役立ちます。