頭の中の本棚を充実させよう・・・【情熱的読書人間のないしょ話(935)】
一面に散らばったイチョウの実が独特の臭いを漂わせています。クヌギの実が落ちています。ソメイヨシノの落ち葉がずっと続いています。ハゼノキが美しく紅葉しています。シコンノボタンが紫色の花を咲かせています。カントウヨメナの群落を見つけました。我が家のハナミズキが漸く真っ赤になりました。私たち夫婦は、歯応えのある次郎柿がカキの中で一番好きです。因みに、本日の歩数は10,393でした。
閑話休題、『正しい本の読み方』(橋爪大三郎著、講談社現代新書)は、本の読み方を通して、学問や教養にまで話が及んでいます。ハゼノキが紅葉しています。
「本は、暗記するものではなくて、理解すればいい。理解して、面白ければ、読んだ印象が頭に残ります。とりあえず、これで必要、かつ十分。とても大事なことが書いてあったら、書き込みをするなり、何か印をつけておけば、読まなかったのとは全然違います。必要なときにもう一回読み返せば、最初のときとは全然違うんです。図書館で借りた本だと書き込みができない。返しちゃうんだから。そこで、ほんとに大事だなと思った本は、頑張って買って、手許に置いておくのがおすすめです。いまは、アマゾンで一冊一円とか、安く売っている。少し古い本だったら、費用もそんなにかからないで揃えられる。そうやって、自分だけのカスタムメイドの世界をこしらえましょう。物理的に言うなら、大事な本の並んだ本棚です。でも、実物の本が並んでいることは本質ではない。大切なのは、頭のなかがそのように整頓されている、ということですね」。著者の「頭のなかの本棚」という考え方に全面的に賛成です。
「読んだ本が順番に増えていくのが、自分の心の世界です。そこには、とっておきの、私の出会った本が並んでいる。・・・楽しみのために読むなら、何を読んでも、全然問題ありません。でも、自分の知の栄養のために読もうと思ったら、はっきりした目的意識を持って、活字を読むべきです」。こうして、とっておきの世界が構築されていくのですね。
「教養(本を読んだ経験)は、意思決定をサポートします。でも、それだけではない。一人ひとりの個人が、自分の人生の主人公として生きていくのを支援します。人生に教科書はありません。誰かの人生は、参考にはなるが、自分のとは違っている。人生の折り目・節目に、心の底から納得できる選択をするため、教養の引き出しを参照できるのは心強い。・・・一人ひとりの人生のかたちが、当人にゆだねられているのです。そこで誰もが、選択をして、賢明に生きていかなければならない。あとで悔やむよりも、よく考えて、最善を尽くして決定すべきです。本はみな、個人が書いているのです。最善の決定に役立つことは、本のどこかに書いてある可能性が高い。そういう本を、時間のあるうちに読んでおきましょう」。著者は、読書、すなわち教養は人生を左右すると言っているのです。