榎戸誠の情熱的読書のすすめ -3つの読書論・ことばのオアシス・国語力常識クイズ(一問一答!)-

世界中の美しい窓が「全員集合」の写真集・・・【情熱的読書人間のないしょ話(956)】

【amazon 『世界の美しい窓』 カスタマーレビュー 2017年12月4日】 情熱的読書人間のないしょ話(956)

東京・杉並の高円寺、阿佐谷を巡る散歩会に参加しました。高円寺では、見事な紅葉、黄葉を楽しむことができました。長仙寺の紅葉は風情があります。住宅街の真ん中で、左から元禄14(1701)年銘の庚申塔、寛保元(1741)年銘の地蔵尊、宝暦10(1760)年銘の千手観音が鎮座しています。街角に、正徳6(1716)年の銘がある庚申塔が祀られています。スーパー・ムーンを見ながら、家路を辿りました。因みに、本日の歩数は22,703でした。

閑話休題、写真集『世界の美しい窓』(五十嵐太郎著、エクスナレッジ)では、世界中の美しい窓が紹介されています。

「窓を外から見る」の章では、繊維業会館(インド・アーメダバード)の植栽が繁る窓が印象的です。「直方体型の彫塑的な建築に、コンクリートの外壁を斜めにくり抜いたような開口部が彫りの深い格子状のファサードを構成している。・・・これにより、インドの強烈な陽光を調節しながら風を通すことが可能となる」。

プラダ・ブティック青山店(日本・東京)の巨大な水晶のような建築が目を惹きます。「表面がフラット、凹、凸の3種類の菱形のガラスが外壁と屋根を全て覆うことで、透過して見える内部の様子に異なる歪みが生じる」。

躯体の窓(日本・船橋)の窓は、何と建物よりも大きいではありませんか。「(2階建ての)建物の高さを優に超える大窓の高さは、およそ8mで、3階建てに匹敵する巨大さ」。

ケ・ブランリー美術館(フランス・パリ)の壁は植栽で覆われています。「色とりどりの植物のなかに正方形の大きな窓が埋もれているかのようだ。・・・植栽は、独自の循環装置によって成長が続く『生きた壁』と評されている」。

「窓を内から見る」の章では、ブラジリア大聖堂(ブラジル・ブラジリア)の天井がユニークさで際立っています。「計16本の白いコンクリートの構造体が放射状に展開し、聖堂全体を覆う。・・・(天井の)窓の向こうに見える空や、中心で舞う巨大な天使像の姿もあいまって上昇感のある祈りの空間となっている」。

大英博物館図書室(イギリス・ロンドン)は、膨大な量の書籍と窓のコントラストに圧倒されます。「周囲がすべて書棚で覆われた円形の図書室。直径42m、高さ32mほどの大空間で、上部には巨大なドームを戴く。書棚の上部には計20個の窓が等間隔で並び、ひとつの窓枠に2つの縦長のアーチ窓が設けられている」。

サン・ドニ大聖堂(フランス・パリ)のステンドグラスの絢爛さは目を瞠らされます。「美しいステンドグラスが供された大きな丸窓は、一般的に『バラ窓』と呼ばれている。その名が示す通り、花弁を彷彿させる同心円状の造形が特徴だ」。