榎戸誠の情熱的読書のすすめ -3つの読書論・ことばのオアシス・国語力常識クイズ(一問一答!)-

日本史を考えるヒントが満載の一冊・・・【情熱的読書人間のないしょ話(2732)】

【読書クラブ 本好きですか? 2022年10月9日号】 情熱的読書人間のないしょ話(2732)

キビタキの幼鳥(写真1~3)、コゲラ(写真4、5)、ゴイサギの幼鳥(写真6)、カワウ(写真7)をカメラに収めました。ジョロウグモの雌が、網にかかったアカネ属のトンボを捕食しています(写真8~10)。モミジバフウ(写真11、12)が紅葉しています。撮影助手(女房)は写真を撮られるのが大嫌いです(写真13)です。我が家の庭で、ちっちゃなニホンカナヘビの幼体(写真15)を見つけました。庭師(女房)が殺虫剤も除草剤も使用しないせいか、ニホンカナヘビ、ヒガシニホントカゲ、ニホンヤモリたちが繁殖しています。因みに、本日の歩数は15,693でした。

閑話休題、『論点・日本史学』(岩城卓二・上島享・河西浩之・谷川穣・告井幸男編著、ミネルヴァ書房)は、日本史を学ぼうとする大学生を主要読者と想定しているだけに、内容はかなり専門的だが、私たち歴史好きの一般人も楽しめるよう工夫が凝らされています。

各時代の見取り図ともいうべき「総論」、各項目の、先行研究における主要な論点とともに、今後取り組むべき課題を盛り込んだ「論点」、読者の考察を手助けする「探究のポイント」――で構成されています。

個人的に、とりわけ勉強になったのは、この19項目です。
●縄文時代――いつ始まったのか、農耕はあったのか、格差はあったのか
●邪馬台国――どのようにしてヤマト政権になったのか
●古墳時代とヤマト政権――古代国家はどのように成立したのか
●磐井の乱――倭国の支配体制にどのような影響を及ぼしたのか
●蘇我氏――どのような政治を行ったのか
●治承・寿永内乱――なぜ起こり、何をもたらしたのか
●応仁の乱の意義――歴史の転換点
●中世の「家」と女性――中世社会を特徴づけるもの
●織豊政権――近世の成立をどう捉えるか
●参勤交代――参勤交代はどのように形骸化していったのか
●江戸の町人社会――なぜ過密で不安定な町人社会が存続できたのか
●近世人の仏教信仰――仏教は信仰されていたのか
●大塩事件――大塩平八郎はなぜ立ち上がったのか
●明治維新――なぜ「維新」に至ったのか、何をもたらしたのか
●被差別部落――「部落」は近代にいかに創られ、変容したのか
●大正デモクラシー ――なぜ「民本主義」が唱えられ、いかに広がったのか
●昭和天皇と宮中――何を考え、どう行動したのか
●日米開戦――「大東亜建設」か、「自存自衛」か
●アメリカの占領政策――なぜ解放と受け止められたのか