榎戸誠の情熱的読書のすすめ -3つの読書論・ことばのオアシス・国語力常識クイズ(一問一答!)-

現在、一般人が手にできる人類学の最高の教科書・・・【情熱的読書人間のないしょ話(2738)】

【読書クラブ 本好きですか? 2022年10月15日号】 情熱的読書人間のないしょ話(2738)

自然観察会に参加しました。上空を旋回するオオタカ(観察会のリーダー・紺野竹夫さんが撮影した写真を私のデジタルカメラで撮影。写真1)、ノスリ(写真2)、多数で渡るヒヨドリ、囀るホオジロ(写真3)、アオサギの巣(写真4)、ツバメシジミの交尾(左が雄、右が雌。写真5)、前を行く女性の帽子に止まったアキアカネ(写真6)、チョウセンカマキリの卵鞘(写真7)、カヤネズミの巣(写真8)、オニグルミの実(写真9)、ゴンズイの赤い実と黒い種(写真10、11)、カラスウリの実(写真12、13)、紅葉したヒレタゴボウ(写真14)を観察することができました。

閑話休題、『人類学大図鑑』(ニュートンプレス)からは、写真、イラストレーション、解説が三位一体となり、人類の歴史が臨場感豊かに伝わってきます。最新の研究成果が取り入れられているので、現在、手にできる一般向けの人類学の教科書としては最高のものと言えるでしょう。

個人的に、とりわけ興味深いのは、これらの14項目です。

●変異によって機能を失った遺伝子が人類を進化させた?
「チンパンジーなどはもっているが、ヒトでは機能を失った遺伝子(偽遺伝子=死んだ遺伝子)をみてみよう。たとえば、細胞間の情報伝達にかかわる『CMAH(シアル酸水酸化酵素遺伝子)』がある。ヒト以外の霊長類において、CMAHは全身ではたらいているが、脳ではなぜかはたらいていない。まだ詳細は不明だが、CMAHが脳ではたらくことは、脳の発達に好ましくないのかもしれない。ヒトでは、CMAHが約300万年前に偽遺伝子となっており、そもそも機能していない。そしてこの時期は、脳容量が増大をはじめる時期(250万年前ごろ)に先んじている。そのため、脳の進化とCMAHの偽遺伝子化は何らかの関係があるのではないかと考えられている。言語障害の原因遺伝子として2001年にみつかった遺伝子『FOXY2』も、言語能力の進化に関係するかもしれないとして注目を集めている。FOXY2に変異が生じると、微妙な発音ができなくなる。ドイツ、マックス・ブランク進化人類学研究所のスバンテ・ペーボ教授らおよびアメリカ、ミシガン大学のジャンジー・ツァン教授らは2002年、ヒトのFOXY2タンパク質には、ほかの霊長類にはないアミノ酸の変異が2か所あることを明らかにした。これら2つの変異もしくは1つの変異が、ヒトの言語能力に影響をおよぼしたのではないかと推測されている」。

●最初の人類はすでに直立二足歩行をしていた

●人類の起源は700万年前までさかのぼった

●最古の人類、サヘラントロプス・チャデンシス

●火山灰に残されたアファール猿人親子の足跡
「1978年にタンザニアの北部、ラエトリにある火山灰の地層に残された、約370万年前のアファール猿人(アウストラロピテクス・アファレンシス)の足跡が発見された。この足跡には土ふまずがあり、当時すでに足底の骨のアーチが形成されていたことが判明した。この足跡化石がみつかったことによって、アファール猿人の直立二足歩行が確実となったのである。・・・足跡は25メートルにわたってつづき、2つの大きな足跡と1つの小さな足跡が並んでいた。親子3人の足跡だったのかもしれない。もしそうであれば、すでにこの時代、家族が成立していたといえる」。

●ホモ属は南アフリカが起源か?――セディバ猿人

●ネアンデルタール人と現生人類の共存

●ホモ・サピエンス――私たちと同じ人類の登場

●ヘルト人――古い時代のホモ・サピエンス

●アフリカ単一起源説――アフリカから世界へ広がった新人

●出アフリカとは何か

●日本人の起源――全国に残る旧石器時代の遺跡
「日本では、後期旧石器時代(3万8000年前~1万5000年前)の遺跡が、1万以上も発見されている。この遺跡の年代を精査すると、3万8000年前頃を境に、遺跡の数が急増していることがわかった。また、ユーラシア大陸内で発見された遺跡の年代と比較しても矛盾がないことから、新人が日本列島に到達した時期は、この頃だと確実視されている」。

●日本人はどこから来たか

●一方通行ではなかった出アフリカ