榎戸誠の情熱的読書のすすめ -3つの読書論・ことばのオアシス・国語力常識クイズ(一問一答!)-

君は、質問ができない人か、悪い質問をする人か、いい質問ができる人か・・・【あなたの人生が最高に輝く時(74)】

【amazon 『最高の結果を引き出す質問力』 カスタマーレビュー 2017年3月6日】 あなたの人生が最高に輝く時(74)

質問力

最高の結果を引き出す質問力――その問い方が、脳を変える』(茂木健一郎著、河出書房新社)には、ネガティブな人生をポジティブに転換する可能性を秘めた質問力を高めるためのヒントが詰まっている。

「質問とは、自分の置かれた現状や自分自身を大きく変える力です。『今と同じでいい』と現状維持を望み、『お金がない』『いい人に巡り合えない』と、ただ不満を言う人から生まれるものではありません。今よりももっとうまくなりたい。まだ知らないものに出合いたい。今よりも社会をよくしていきたい・・・。『そのためには、どうしたらいいだろうか?』と考えて、現状を打破して前に進んでいこうとする人から生まれ出てきます。質問は、人生をポジティブにするものです。文句を言っているだけではものごとは動かないので、『これが今、分からない』『できない』と正直に認め、質問することによって前に進んでいきます」。

質問ができる人、できない人

著者は、世の中には2種類の人間がいるという。それは、「質問ができる人」と「質問ができない人」である。質問ができるかできないか――。それは、人生において大きな差をもたらすと言っても過言ではない。質問することによって、問題解決が可能となり、自分自身を知ることができるからだ。質問とは、極めてクリエイティブな行為で、質問をしていくことで、自分の人生を変えていく。質問で自分の人生を自由につくっていくのである。

「疑問とは、曖昧な違和感。質問とは具体性があり、解決に導くもの。両者は根本的に異なる」。

いい質問ができる人、悪い質問をする人

さらに、「質問ができる人」は、「いい質問ができる人」と「悪い質問をする人」に分けることができる。いい質問をすれば、行動することでモヤモヤが解消できるし、結果も出せるようになる。一方、悪い質問をすると、モヤモヤが一時的には解消するが、根本的には解決していないので、何度も同じ問題に遭遇することになる。自分自身が成長していないので、何度も同じモヤモヤを抱えてしまうのだ。

悪い質問とは、具体的には、①正解を直接求める、②おススメを聞く、③相手に同意を求める、④相手を問い詰める、⑤どちらかを選ばせる――ものである。

いい質問とは、①空気を変える、②相手の経験を聞く、③好きなものを聞く、④本心に気づかせる、⑤自分の生き方を問う――ものである。

いい質問をするためのアドバイスが挙げられている。「●いい質問をするには、教養を磨いていく。●『自分の知らないことがまだたくさんある』と気づくことが、いい質問をするうえでは欠かせない。●いい質問をするためには、『今』『何がしたい?』『どのように(どうやって)』と常に問う」。

脳の強化学習

「脳が一番喜ぶのはどんなときでしょうか。それは、自分には『絶対にできない』と思っていたことが、できるようになるときです。・・・できると分かっていることをやるのではなく、自分にとっては少し難しく、できるかどうかが分からないギリギリなこと、少し新しさがあることに挑戦してうまくいけば、強化学習が起こってドンドンそれがやりたくなります。この仕組みは、誰もが持っています」。このことは、私も日々、実感していることだ。