榎戸誠の情熱的読書のすすめ -3つの読書論・ことばのオアシス・国語力常識クイズ(一問一答!)-

ニホンモモンガが、天敵のフクロウとヘビに示した驚くべき反応・・・【情熱的読書人間のないしょ話(468)】

【amazon 『先生、イソギンチャクが腹痛を起こしています!』 カスタマーレビュー 2016年8月1日】 情熱的読書人間のないしょ話(468)

夕刻の森は人に行き合わず、ミンミンゼミ、アブラゼキ、ヒグラシの蝉時雨の中、生物と向き合うことができます。昨晩、大型のトンボ(オニヤンマあるいはギンヤンマ?)の幼虫・ヤゴの羽化を写真に撮ったのですが、残念ながらピントがぼけていました。そこで、再度訪れたのですが、抜け殻しか残っていませんでした。シオカラトンボ、アキアカネが飛び回っています。セミたちの抜け殻がたくさんあります。キツネノカミソリが橙色の花を咲かせています。帰路で見かけたヒマワリは驚くほどの小ささです。因みに、本日の歩数は10,559でした。

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閑話休題、『先生、イソギンチャクが腹痛を起こしています!――[鳥取環境大学]の森の人間動物行動学』(小林朋道著、築地書館)は、「先生!シリーズ」の第10弾です。

私にとって一番印象に残ったのは、「モモンガの天敵たち――ニホンモモンガについての研究はとても遅れているのだ」の章です。

ニホンモモンガが、天敵のフクロウとヘビに対してどういう反応をするかを調べた実験の結果が、非常に興味深いのです。

「ゆっくりとケージに近づいた私は、ボイスレコーダーからフクロウの鳴き声を、モモンガたちに向けて流した。彼らがどう反応するか、もうワクワクである。ホーッ、ホッホホーッ、ホーッ、ホッホホーッ。フクロウの鳴き声が数回流れた。でも2匹のモモンガは、なに食わぬ様子で、餌を食べつづけている。えっ! 彼らはなんにも反応せんの?」。ところが、著者がそう思った瞬間、驚くべきことが起こったのです。

著者の実権は続きます。ニホンモモンガが棲息する本州にはいないシマフクロウの鳴き声には、どう反応したと思いますか?

さらに、実験は続きます。子モモンガの対ヘビ反応、そして、子モモンガを育てている(つまり、守るべきものがある)母モモンガの対ヘビ反応は著者の想定を超えるものでした。「ところが次の瞬間、もっと驚くことが起こった」。

私は、このシリーズの全てを読んできましたが、10冊目だというのにマンネリを少しも感じさせないのは、著者の力量でしょうか、それとも登場する動物たちの力量でしょうか。恐らく、両者の相乗効果なのでしょう。