榎戸誠の情熱的読書のすすめ -3つの読書論・ことばのオアシス・国語力常識クイズ(一問一答!)-

被爆した広島では、屍や傷ついた人に蛆が湧き、蠅が群がっていました・・・【情熱的読書人間のないしょ話(836)】

読み聞かせヴォランティアで、『ないた あかおに』と『なつのいちにち』を読みました。読み進むうちに、幼い子供たちがじりじりとにじり寄ってきて、彼らの手が私の足先に触れるほどでした。あちこちで、さまざまな色合いのアサガオが咲いています。因みに、本日の歩数は10,535でした。

閑話休題、『原爆の図――THE HIROSHIMA PANELS(普及版完本』(丸木位里・丸木俊絵画、丸木俊絵とき、小峰書店)は、この世で最も恐ろしい絵画集です。

「わたくしたちは原爆でおじをうしないました。めい2人も死にました。妹はやけどをし、父も半年後になくなりました。知人友人をたくさんうしないました」。

「それは幽霊の行列。一瞬にして着物は燃え落ち、手や顔や胸はふくれ、むらさき色の水ぶくれはやがて破れて、皮膚はぼろのようにたれさがった。手をなかばあげてそれは幽霊の行列。破れた皮を引きながら力のつきて人々は倒れ、重なりあってうめき、死んでいったのでありました。爆心地帯の地上の温度は6千度、爆心近くの石段に人の影が焼きついています。だが、その瞬間にその人のからだは、蒸発したのでしょうか。飛んでしまったのでしょうか。爆心近くのことを語り伝える人はだれもいないのです」。

「ピカッ。青白く強い光。爆発、圧迫感、熱風――天にも地にも人類がいまだかつて味わったことのない衝撃。火の瞬間に火がついた。めらめらと燃えあがり、広漠たる廃墟の静寂を破って、ごうごうと燃えていったのでありました。うつぶせて家の下敷きになったまま失心した人、気がついて脱け出ようとして、紅蓮の炎につつまれていった人。ガラスの破片がざっくりと腹につきささり、腕がとび、足がころがり、人々は倒れ、焼け死んでいきました」。

「足の方を外側にして、顔を中心にして、死体の山がありました。眼や口や鼻がなるべく見えないように積み重ねてあったのです。焼き忘れられた山の中から、まだ目玉を動かして、じっと見ている人がいました。本当にまだ生きていたのでしょうか。それともうじが入っていてそれで動いたのでしょうか。水、水。人々は水を求めてさまよいました」。

「食べ物はなく、薬はなく、家は焼け、雨にたたかれ、電灯はなく、新聞はなく、ラジオはなく、医者もなく、屍や、傷ついた人にうじがわき、はえが群生してむらがり、音をたてて飛びかっておりました。屍のにおいが風にのって流れました。人々のからだが傷つくだけでなく、心も深く傷つきました。破れた皮膚をおおうことも忘れた人が、わが子を捜して歩いていました。来る日も来る日もさまよっておりました」。

戦争絶対反対の人にも、「戦争ができる国」を目指している人にも、ぜひとも見てほしい原爆地獄図です。