榎戸誠の情熱的読書のすすめ -3つの読書論・ことばのオアシス・国語力常識クイズ(一問一答!)-

鳥は、推論、立案、共感、洞察、認知――の能力を有しているらしいぞ・・・【情熱的読書人間のないしょ話(1146)】

【amazon 『鳥! 驚異の知能』 カスタマーレビュー 2018年6月13日】 情熱的読書人間のないしょ話(1146)

薄紫色のムクゲの花が咲き始めています。アゲハチョウが飛び回っています。ゼニアオイの花粉まみれのシマハナアブを見つけました。ヤグルマギクにもシマハナアブがいます。葉の裏のナミテントウです。ハラビロカマキリの卵鞘が壁に貼り付いています。因みに、本日の歩数は10,636でした。

閑話休題、『鳥! 驚異の知能――道具をつくり、心を読み、確率を理解する』(ジェニファー・アッカーマン著、鍛原多恵子訳、講談社・ブルーバックス)は、鳥好きには堪らない一冊です。

「私たちの多くが、愛鳥家でさえも、鳥が私たちには想像もできない点で賢いという事実を受け入れようとしないことに、私は驚く。人間が鳥の心的能力を十分に理解できないのは、鳥が人間とあまりに異なっているからかもしれない。鳥は恐竜の一種であり、従兄弟たちを絶滅させた大変動を生き延びた少数の幸運な恐竜の子孫なのだ。ヒトは哺乳類で、大半の恐竜が死滅した後におそるおそる出現した、臆病で小柄なトガリネズミのような生き物の子孫だ。哺乳類の仲間がどんどん大型化するなか、同じ自然淘汰のメカニズムによって鳥類は小型化していった。ヒトが直立して2本の脚で歩こうとする一方で、鳥類は身軽さと飛行能力をきわめていった。ヒトの脳のニューロンが複雑な行動を可能にするために大脳皮質の層構造を形成する一方で、鳥類は哺乳類とは異なるが、少なくともいくつかの点において同等に高度な神経構造を形成した。私たちと同じように、鳥もまた外的世界の仕組みを理解しようとしていて、その間にも進化は微調整を重ねて鳥の脳を形づくり、彼らが現在持っているすばらしい能力を脳に与えた」。

「鳥は学習する。新しい問題を解決し、古い問題の新しい解決法を生み出す。道具をつくって使用する。数をかぞえる。互いの行動を真似る。物をどこに置いたかを覚えている。・・・鳥に洞察能力があるか否かはまだわかっていないが、鳥類の中には実際の因果関係を理解する(洞察の一部をなす)ように思われる種がいる。『心の理論』についてもしかりだ。『心の理論』とは、他者がなにを知っていたり考えていたりするかにかんする繊細な理解だ。鳥にこの完全な能力があるか否かについては疑問の余地があるものの、一部の種は相手の視点からものを見たり、相手がなにを必要としているかを理解したりできるらしい。これは『心の理論』に不可欠な資質と言える。こうした素質あるいは段階を認知の指標と見なし、推論や計画立案、共感、洞察、メタ認知(自分の思考プロセスにかかわる認識)など、人間の高度で複雑な認知能力の前駆体と考える科学者もいる」。

10年以上前に鳥のIQ(知能指数)スケールを世界で初めて作ったのが、生物学者で比較心理学者のルイ・ルフェーブルです。「ルフェーブルのスケールでいちばん賢い鳥はなんだろう? カラス科の鳥たちだ。この結果に意外性はない。ワタリガラスとカラスが明らかに飛び抜けて賢く、これにオウム・インコ類が続く。そのあとにムクドリモドキ、猛禽類(とくにハヤブサやタカ)、キツツキ、サイチョウ、カモメ、カワセミ、ミチバシリ、サギなどがいる。やはり上位にいるのがスズメ科やカラ類の鳥たちで、下位に甘んじているのがウズラ、ダチョウ、ノガン、シチメンチョウ、ヨタカなど」。

本書は、特別な能力やスキル(技術的、社会的、音楽的、芸術的、空間的、発明的、適応的なもの)を有する鳥たちのオン・パレードです。そのあまりの凄さに、私のほうが劣等感を覚えてしまうほどです、

脇道に逸れますが、この一節を読んで、一つ賢くなりました。「『存続できるのはもっとも強い種でも、もっとも賢い種でもない・・・それは変化にいちばんよく適応する種である』。これはチャールズ・ダーウィンの言葉とされることが多いが、こう述べたのはじつはルイジアナ州立大学のマーケティング教授レオン・メギンソンだ」。