榎戸誠の情熱的読書のすすめ -3つの読書論・ことばのオアシス・国語力常識クイズ(一問一答!)-

「先生!シリーズ」の著者・小林朋道の、動物行動学との関わり合い・・・【情熱的読書人間のないしょ話(1285)】

【amazon 『先生、脳のなかで自然が叫んでいます!』 カスタマーレビュー 2018年10月28日】 情熱的読書人間のないしょ話(1285)

ニホンノウサギの小さな丸い糞を見つけました。フクロタケが生えています。クサギが、星形の桃色の萼の上に青い実を載せています。モチノキが赤い実を付けています。ホオズキの実が鈴生りです。因みに、本日の歩数は10,398でした。

閑話休題、『先生、脳のなかで自然が叫んでいます!――[鳥取環境大学]の森の人間動物行動学(番外編』(小林朋道著、築地書館)は、「先生!シリーズ」としては異色の内容となっています。

著者の動物行動学との関わり合いが振り返られているからです。

彼にとっての動物行動学とは、「進化の仕組みに照らすと、(行動・心理を生み出す脳は)それぞれの種本来の生息域での生存・繁殖がうまくいくように組み立てられているはずだ」。

彼が「先生!シリーズ」を書き続けているのは、「自然がわれわれに与えてくれる恵み――衣・食・住・薬・エネルギー、災害の抑制・・・以外にも、『精神』にとってどれだけ重要か」「自然が『精神』の進化的形成にどれほど大きな影響を与えているか」を読者に伝えるためなのです。

「私の仮説では、『性差を問わずホモ・サピエンスでは、幼稚園から小学生低学年くらいの年代が、野生生物を中心とした自然の事物・事象について最も多くの知識を吸収する時期である』」。自分の幼児体験に照らして、私もこの仮説を支持します。

「われわれホモ・サピエンスという動物がもつ習性の一つは、『ほかの生物の習性・生態に敏感で、ほかの生物の習性・生態に特に関心を示し記憶にとどめる』という特性だ」。

私の好きなニホンノウサギについても言及されています。「ノウサギは冬には白い冬毛で、春夏秋には茶色の夏毛で、衣替えのときは茶色と白色のまだらで(ほんとうである)、時には林のなかで、またあるときは道路に出て、私を楽しませてくれた」。私も、我が家の近くの原っぱでニホンノウサギを目撃したことがあります。私が住んでいるのは積雪地帯ではないので、白い冬毛にはならないと思われます。