榎戸誠の情熱的読書のすすめ -3つの読書論・ことばのオアシス・国語力常識クイズ(一問一答!)-

人口減少・高齢化を日本の弱点ではなく、長所と捉える日本再興戦略・・・【情熱的読書人間のないしょ話(1361)】

【amazon 『日本再興戦略』 カスタマーレビュー 2019年1月10日】 情熱的読書人間のないしょ話(1361)

我が家の庭に現れるメジロ、シジュウカラ、スズメ、ヒヨドリ、キジバトは、いずれもカップルでやって来ます。シャコバサボテン(クリスマス・カクタス、デンマーク・カクタス)が桃色、赤色の花を咲かせています。因みに、本日の歩数は10,700でした。

閑話休題、『日本再興戦略』(落合陽一著、幻冬舎)を読んで、意外に感じたことが、3つあります。

第1は、テクノロジーに対して揺るぎない信頼感を表明していることです。「教育・研究・経営・アートのすべてに影響を与えるのがテクノロジーです。AI、AR・VR、5G(第5世代移動通信システム)、ブロックチェーンなどのテクノロジーは、これから世界を大きく変えていきます。これらのテクノロジーの本質を理解していないと、日本再興戦略を描くことはできません」。

第2は、日本の弱点とされる人口減少・高齢化を、逆に長所と捉える発想のユニーク性です。「人口減少は人類史上稀有な大チャンスです。テクノロジーを活用し、西洋的人間観を更新し、我々が今まで刷り込まれた知識をポジティブに更新し、みなで行動していけば、日本の未来はきっと明るく、そして特筆的なグランドデザインとなるでしょう。東洋の自然観はデジタル時代に新たな自然を構築するはずです」。

著者は、人口減少・高齢化が日本にとってチャンスである理由を3つ挙げています。「ひとつ目は自由化、省人化に対する『打ち壊し運動』が起きないことです。人が減って、かつ、高齢化で働ける人が減るので、仕事を(テクノロジーで)機械化してもネガティブな圧力がかかりにくい。・・・2つ目は、『輸出戦略』です。日本は、人口減少・高齢化が早く進む分、高齢化社会に向けた新しい実験をやりやすい立場にあります。これから中国を筆頭に世界中が高齢化します。もし日本が、人口減少と少子高齢化へのソリューションを生み出すことができれば、それは『最強の輸出戦略』になるのです。・・・3つ目は、『教育投資』です。これからの日本は、人材の教育コストを多くかけることができる国になります。日本は人口が減少しているので、相対的に大人の数が多くなり、子どもの数が少なくなります。すると、『子どもは少なくて貴重なのだから大切にしよう』ということになります。社会全体として、子どもに投資しても、不平が出にくくなります。子どもに対して教育コストをかけることが、社会正義であり社会善になるのです。この条件を生かさない手はありません」。

第3は、仮想通貨の将来性を高く評価していることです。「もうひとつ、日本再興のカギを握るテクノロジーがあります。それはブロックチェーンです。これからの日本はすべてをブロックチェーンにして、あらゆるものはトークンエコノミーであるという考え方にしていかないといけません。ブロックチェーンとは、分散型の台帳技術と言われますが、あらゆるデータの移動歴を、信頼性のある形で保存し続けるためのテクノロジーです。しかも、誰かが一元的に管理するのではなく、全員のデータに全員の信頼をつけて保っていくことができます。非中央集権的なテクノロジーなのです。その典型がビットコインに代表される仮想通貨にかかわる技術です」。

「トークンエコノミーというと難しく聞こえるかもしれませんが、すでに日本にはトークンがたくさんあります。TSUTAYAのTポイントカードもANAのマイレージも立派なトークンです。日本人ほどポイントカードがたくさん財布に入っている国民は見たことがありません。日本はすでにトークンエコノミー先進国なのです。トークンエコノミーとは、このポイントカード経済圏がさらに広がって、企業だけでなく個人もポイント発行できるようになるイメージです」。

実にユニークな発想だが、確かな技術的裏付けに支えられているので、説得力があります。