ジョン・F・ケネディの実像・・・【山椒読書論(400)】
【amazon 『JFK――大統領の神話と実像』 カスタマーレビュー 2014年1月28日】
山椒読書論(400)
ジョン・F・ケネディの長女、キャロライン・ケネディが駐日米大使となったのを機に、『JFK――大統領の神話と実像』(松尾弌之著、ちくま新書。出版元品切れだが、amazonなどで入手可能)を書棚から引っ張り出して、読み返してみた。
格調高いジョン・ケネディの演説原稿を書いていたセオドア・C・ソレンセンが、ケネディが暗殺された2年後に、ケネディへの思いを込めて書いた『ケネディの道――未来を拓いた大統領』(セオドア・ソレンセン著、大前正臣訳、サイマル出版会。出版元品切れだが、amazonなどで入手可能)という力作があるが、この書では、ケネディは理想に燃える、文字どおり理想的な大統領として描かれている。
この本の他にも、ケネディを褒めるもの、貶すもの、それこそさまざまな本が出版されてきたが、『JFK――大統領の神話と実像』は、中立の立場から丹念に資料に当たった好著である。従来のイメージとはかなり違う、意外なケネディの実像が見えてくることだろう。