大人にとっての桃太郎物語・・・【情熱的読書人間のないしょ話(755)】
【amazon 『ももたろう』 カスタマーレビュー 2017年5月15日】
情熱的読書人間のないしょ話(755)
読み聞かせヴォランティアで、『ももたろう』と『こどものなかま』を読みました。雨が上がり、キリシマツツジの花弁に溜まった雨水がきらきらと輝いています。
大人になって改めて『ももたろう』(松居直文、赤羽末吉画、福音館書店)を読み返すと、意外な発見があります。
おばあさんが川から拾って帰った桃は、おばあさんが、「うーまい ももっこ、こっちゃこい。にーがい ももっこ、あっちゃゆけ」と言って、一番旨そうなものを選択した結果だったのです。
桃太郎が鬼ヶ島に鬼退治に行ったことは知っていても、その目的が今一つ明確でなかったのですが、今回、はっきりしました。「おには、『おわびのしるしに、たからものは みな さしあげます』と いって、ありったけの たからものを だしてきました。ももたろうは、『たからものは いらん。おひめさまを かえせ』と いいますと、おには、『はいはい』と、おひめさまを かえしました」。
財宝には目もくれず、姫救出を最優先させた桃太郎に姫は感動したことでしょう。「ももたろうは おひめさまを およめにもらって、おじいさん おばあさんと、いつもでも しあわせに くらしました。めでたし、めでたし」。桃太郎たちはめでたし、めでたしなのですが、鬼退治に同行・協力した犬、猿、雉たちがきちんと処遇されたのかが気になります(笑)。
文も絵も素晴らしいこの絵本は、子供たちに夢を与える一冊です。