不安を乗り越え、勇気を出そう・・・【情熱的読書人間のないしょ話(763)】
【amazon 『きらめく船のあるところ』 カスタマーレビュー 2017年5月25日】
情熱的読書人間のないしょ話(763)
新2年生を対象とする小学校での読み聞かせヴォランティアで、『きらめく船のあるところ』(ネレ・モースト作、ユッタ・ビュッカー絵、小森香折訳、BL出版。出版元品切れだが、amazonなどで入手可能)を読みました。子供たちのきらきらと輝く瞳に癒やされました。
『きらめく船のあるところ』は、谷でのんびり暮らしている小さなキツネとオオカミが不安を乗り越え、勇気を出して、新しいことに挑戦する物語です。
「あるとき、旅人がやってきて塔のはなしをしました。『唐のうえからは、太陽が海にしずむのが見えるんだ』。『それってきれいなの?』ときくと、旅人は目をかがやかせました。『そりゃあもう。太陽があたりをまっかにそめて、帆船や大型ボートがきらめく波にゆれるのさ』」。
「海までは遠くありませんでした。けれどあとすこしというところで、ふあんという名の魔物がゆくてをふさいだのです。『ほんとうに塔へのぼる気なのか?』と、ふあんはあざけりました。『おそろしい目にあったって、知らないぞ』」。
「キツネとオオカミはふるえあがり、すっかりこわくなって谷へにげかえると、からだをちぢめました」。
長い期間、ためらった後に、勇気を出して、再度、塔を目指します。「『いこう!』。オオカミは最後の力をふりしぼってささやきました。『勇気をだすんだ、さもなきゃ、だめになってしまう』。『うん、そうだね』とキツネはいいました。『夢をなくしたら、だれも生きていけないよ』」。
遂に、塔の最上階に到達したキツネとオオカミの目の前に広がっていたのは・・・。
大人の私も、勇気を奮って新しいことに取り組むことの重要性を再認識しました。