ナショナル ジオグラフィックが世界の謎99に挑戦・・・【情熱的読書人間のないしょ話(1171)】
小さな滝が涼しげです。夕刻、東京・千駄木で開かれたメディエンス創業18周年を祝う会に出席しました。若い人たちとの情報交換で大いに刺激を受けました。千駄木で、時代を感じさせる煎餅屋を見かけました。帰路、暗闇の中で黄色い花を咲かせているメマツヨイグサを見つけました。因みに、本日の歩数は10,782でした。
閑話休題、『今の科学でここまでわかった世界の謎99』(日経ナショナル ジオグラフィック社・ナショナル ジオグラフィック 別冊)では、「イースター島のモアイ像と文字の謎はいつ解明されるのか?」、「マチュピチュは聖地だった?」、「UFOは本当に宇宙人の乗物なのか?」、「動物が利他的行動をするのはなぜ?」、「なぜ眠るのか?」、「夢とは何か?」、「死後の世界は存在するのか?」、「ビッグバンの前の宇宙はどのように誕生したのか?」、「暗黒物質(ダークマター)とは何か?」、「地球の生命はどのようにして誕生したのか?」、「タイムトラベルは実現可能か?」、「我々はマルチバース(多宇宙)に存在しているのか?」、「ダークエネルギーとは何か?」、「宇宙はどのような終わりを迎えるのか?」、「相対性理論と量子力学を統一する万物の理論は果たして見つかるのか?」、「ネアンデルタール人に何が起きたのか?」といった興味深い謎が取り上げられているが、残念ながら、これらの問いには明解な答えが出されていません。
謎が解けたと言えるテーマの中で、私の目を惹いたのは、「ナスカの地上絵が描かれた目的は?」、「デスバレーではなぜ岩が滑るのか?」、「大公女アナスタシアは処刑を逃れたのか?」の3つです。
ナスカの地上絵について。「現在は、もっとシンプルな説が有力だ。地上絵は、神聖な土地に描かれた儀式のための道だというのだ。雨や豊穣に関連のある絵が多く、線に沿って昔の足跡が残っているというのがその理由だ」。
デスバレーの岩について。「2011年、米国の研究者がGPSを付けた石と設営機材、突風を観測する設備を現地に持ち込み、石がどのように動くのかを調査した。2年間にわたる観測の結果、研究チームはついに石が動く原因を突き止める。分かったのは次のようなプロセスだった。降った雨が夜間の寒さで凍結し、薄い氷の板ができる。その後、日光の熱で板が割れていくつかの破片に分かれる。その破片に突風が吹きつけて動く際に、石も一緒に押されて動くのだった」。
アナスタシアの最期について。「1991年、ロシア政府はエカテリンブルク近郊で皇帝一家が埋められていた場所を明らかにした。見つかったのは5人の遺体のみだったので、アナスタシアはやはり生き残ったのではないかと期待が高まった。しかし2007年、近くで男の子と女の子の遺体が見つかった。DNA鑑定の結果、2人とも皇帝一家の人間であることが証明され、ニコライ2世の一家全員が殺害されていたことが確定した」。
なお、「女性の教皇は存在したのか?」という問いに対する本書の「現代の文書には女性の教皇への言及はなく、女教皇が実在した可能性は非常に低いといえる」という、あまりにもカトリック教会寄りの回答には、私は納得しかねます。