いつ、どこで、鳥、昆虫、植物が観察できるかが分かる、親切な案内書・・・【情熱的読書人間のないしょ話(1804)】
小雨が上がった我が家の隣の公園では、ソメイヨシノが満開を迎えています。ヒヨドリが吸蜜しています。ヤマブキが3月20日に開花しました。因みに、本日の歩数は10,811でした。
閑話休題、私はさまざまな自然観察会に参加するだけでなく、雨天以外は毎日、撮影助手(女房)を連れて、季節を感じさせる鳥、昆虫、植物、風景、旧跡などをカメラに収めながら、10,000歩以上歩くようにしています。このような私にとって、『季節の生きもの観察手帖――自然を楽しむ二十四節気・七十二候』(NPO法人自然観察大学企画・編集、全国農村教育協会)は、願ったり叶ったりの一冊です。
その理由は、3つあります。
第1は、一年を二十四節気・七十二候で細分化し、その季節に見られる植物、鳥、小動物、昆虫、菌類などの実際の観察記録が写真とともに示されていること。例えば、「春分・雷乃発声(新暦でおよそ3月30日~4月3日)のページの4月2日には「ヤマブキ開花(2015年、群馬県太田市ぐんまこどもの国、金子正)」と記されています。このように、植物なら「開花、開花初期、開花盛期」、動物なら「初認、終認、初鳴き、成虫活動初認」が明記されているので、大変参考になります。
第2は、各ページの余白部分に、自分の観察記録を記入できること。例えば、3月20日に、たくさんの蕾を付けたヤマブキが1輪だけ咲いているのを見つけたので、「ヤマブキ開花(2020年3月20日、千葉県流山市流山おおたかの森駅近く)」と、書き込みました。
第3は、かねがね観察したいと考えているものについて、いつ頃、どこに行けばいいのかが分かること。例えば、アオバトなら、7月28日の「アオバト磯で海水を飲む(2011年、神奈川県大磯町照ヶ崎海岸、唐沢孝一)が目印になります。また、ミヤマガラスなら、12月22日の「ミヤマガラスの群れ(2015年、埼玉県吉川市上内川、石井秀夫)」といった具合です。
この他にも、夏至(6月21日~7月6日ころ)の「エノコログサの仲間にはエノコログサ、アキノエノコログサ、オオエノコロ、キンエノコロなどがある。見分けるポイントはいくつかあるが、まず穂の全体で見分けてみよう」(4種の写真付き)や、立冬(11月7日~21日ころ)の「ツバキとサザンカは葉で見分けることもできる。ツバキの葉脈は主脈・側脈とも明瞭で、光に透かすと白く抜けて見える。一方、サザンカの葉脈の主脈は明瞭だが側脈は不明瞭で、光に透かしても白く抜けてはみえない」(写真付き)といった豆知識も充実しています。