飼育している8匹のニホンアナグマを研究中のゼミ生Ktくんが羨ましい・・・【情熱的読書人間のないしょ話(1888)】
熱帯魚たちが涼しげに泳いでいます。他のハシボソガラスがハシボソガラスの幼鳥(前)をけたたましい鳴き声で威嚇しているなと思ったら、親鳥(後)が後ろを振り向いて、激しい鳴き声でこれに対抗しているではありませんか。6年前のことだが、通勤途上、携帯電話で撮影したニホンアナグマです。
閑話休題、『先生、大蛇が図書館をうろついています!――[鳥取環境大学]の森の人間動物行動学』(小林朋道著、築地書館)に収められている「Ktくんはニホンアナグマの研究をしている――社会性に富んだ動物なんだよね」が、強く印象に残りました。
「ニホンアナグマは、昔から(なんと漠然とした非科学的な表現か。でもこの感じが・・・いい)、タヌキと並んで、『里山の動物』としてヒトの生活と接して生きてきた動物だ。ただし、タヌキが人々によく知られる童話や絵本によく登場するのに対して、アナグマはほとんど登場しない。・・・タヌキほど人家近くや開けた場所にはあまり出てこないことや、地を這うような移動の仕方、タヌキより短足でズングリした体型(めだちにくい)、といった理由によるのかもしれない。そんなアナグマだが、私にとっては大変なじみのある動物で、大学のキャンパス内や、キャンパスのすぐ近くにも夜な夜な出没し、私を驚かせる。大学林内の、知る人ぞ知る(私だけだろうが)場所で、巣穴も3カ所見つかっている」。
「(ゼミ生のKtくんは)卒業研究として、『中型哺乳類の』ニホンアナグマの行動を調べている。Ktくんは狩猟免許も(動物取扱に関する資格も)持っており、狩猟期に捕獲した8匹のニホンアナグマを借家近くのビニールハウスのなかにつくった小屋で飼育している、実験のときだけ、1匹や2匹、大学に連れてくるのだ」、
「生息地を模した環境のなかでふれあって、少しでも野生生物のことを体感する機会があれば、表面的な思いのなかに実感という塊がぶら下がってくる。息づかいであったり、生き生きとした表情であったり、悲しげな姿であったり、共感であったり・・・。そういった感覚が、自然環境の保全の問題、野生生物とのつきあい方の問題を考えるうえではとても大切であり、『自然や野生生物との共存』には不可欠だと思うのだ。いつかKtくんの夢がかなえば、いいね!」。
6年前のことだが、自宅から最寄り駅の千葉・流山おおたかの森駅に向かう出勤途上、叢の中でうずくまっている動物を見つけました。こちらを見た顔はニホンアナグマの特徴を備えていたが、慌てて携帯電話で撮影した時は、残念ながら顔が叢に隠れてしまいました。