日本列島が誕生するには、4つの奇跡が必要だった･･･【情熱の本箱（366）】
『激動の日本列島 誕生の物語――NHKスペシャル 列島誕生 ジオ・ジャパン』（NHKスペシャル「列島誕生 ジオ・ジャパン」制作班監修、村沢譲・幕田けいた執筆、宝島社）を読んで、日本列島が誕生するには、4つの奇跡が必要だったことを知った。私の知らないことばかりなので、強烈な衝撃を受けた。
第1の奇跡＝大陸からの分離――。
2500万年前、現在の西日本部分と東日本部分が観音開きのようにユーラシア大陸から引き裂かれた。こうして、もとはユーラシア大陸の一部であった日本列島は、島となったのである。
第2の奇跡＝火山島の衝突――。
1500万年前、現在の関東の沖合にあった火山島の島々がフィリピン海プレートに乗って北進し、西日本の東端に次々と衝突した。この衝突で関東山地、丹沢山地が生まれ、そこから流れ出した大量の土砂が西日本と東日本の間の海に流れ込んだため、西日本と東日本が一本に繋がったのである。
第3の奇跡＝世界最大規模のカルデラ噴火――。
1400万年前、紀伊半島で超巨大なカルデラ噴火が起こり、紀伊半島を山地に変えた。同時期に、西日本の広い範囲でも超巨大噴火が起こり、高い山々が生まれていった。こうして、平坦であった西日本は山国へと変貌していったのである。
第4の奇跡＝山国をつくりあげた「東西圧縮」――。
300万年前、北向きのフィリピン海プレートが北西向きに移動方向を変えたため、太平洋プレートが大陸プレートに近づき、日本列島を強力に圧縮する東西圧縮が生じた。こうして、東日本全体が隆起し、かつては海底にあった東日本も山国へと変わっていったのである。
「大陸の一部が、扉が開くように引き裂かれて起きた、『日本海の誕生』。東日本と西日本を埋めるようにして起きた『火山島の連続大衝突』。そして西日本で『同時多発した超巨大カルデラ噴火』。最後に、東日本でも『東西圧縮』が起き、大地を押し上げて多くの山々ができた。こうしてこれら4つの大事件によって、険しい山々をもつ奇跡の島・日本列島が完成した」。
四季に恵まれた奇跡の島・日本列島に生まれたことに感謝しながら、一度きりの人生を充実させていきたいと、改めて思った私。