曹操に謀殺された父の仇討ちに、西涼の馬超が立ち上がる・・・【山椒読書論(586)】
【読書クラブ 本好きですか? 2021年8月28日号】
山椒読書論(586)
横山光輝のコミックス『三国志』(横山光輝著、潮出版社、希望コミックス・カジュアルワイド、全25巻)は、羅貫中の小説『三国志演義』→吉川英治の小説『三国志』の流れを汲んでいる。
「第13巻 周瑜と竜鳳」――。呉の周瑜は、荊州を通過するふりをして、荊州の劉備・孔明を攻め落とす策を弄するが、孔明に裏をかかれ、病を悪化させてしまう。「呉の大黒柱・周瑜は、ここにその生涯を閉じた。この時、周瑜36歳であったという」。
孔明と並び称される龐統が、副軍師として劉備に迎えられる。ここに、智謀で鳴る双璧、伏竜(孔明)・鳳雛(龐統)が揃ったのである。
精強な軍を擁する西涼の馬騰が曹操暗殺を企てるが、密告によって曹操の知るところとなり、誅殺されてしまう。「こうして、西涼の雄・馬騰は無念の涙をのんで、その生涯を閉じた」。
父の仇を討つべく、馬騰の長男・馬超が立ち上がる。「潼関の東方で、曹軍30万と西涼軍20万は堂々と対決した」。
西涼軍にてこずった曹操は、西涼軍の両雄、馬超と韓遂との離間策を講じる。「こうして、曹操の離間の策は功を奏した。馬超あっての韓遂、韓遂あっての馬超であったが、今、二人の心は完全に離れた」。