遂に劉備が蜀を手に入れ、魏の曹操、呉の孫権と並び立つ・・・【山椒読書論(588)】
【読書クラブ 本好きですか? 2021年8月31日号】
山椒読書論(588)
横山光輝のコミックス『三国志』(横山光輝著、潮出版社、希望コミックス・カジュアルワイド、全25巻)は、羅貫中の小説『三国志演義』→吉川英治の小説『三国志』の流れを汲んでいる。
「第15巻 成都攻略戦」――。劉備の敵側に身を置く馬超が説得を受け容れ、劉備の配下に加わる。「(劉備)玄徳は、またしても強い味方を得、意気揚々と綿竹関に引き返した。残るは成都だけである」。
蜀の劉璋に対する馬超の説得が功を奏する。「暗愚の劉璋にはこの事態を乗りきる能力はなく、ついに降伏を決心したのであった」。
「こうして、蜀を平定した玄徳は、初めて自分の国を持ち、ここに曹操の魏、孫権の呉、玄徳の蜀と、三国が形成されたのである」。
「この頃、許都においては、曹操の権力はますます強大になっていた。曹操の権力が強くなればなるほど、朝廷の力は衰え、魏の官民は献帝のおわすことさえ忘れているようであった」。
献帝と伏皇后の曹操暗殺計画が漏れ、曹操の命によって、伏皇后は殴り殺され、伏一族は虐殺されてしまう。「こうして、曹操の娘が皇后として押しつけられ、曹操の権力はますます大きくなった」。
「曹操の漢中平定は、新生蜀の大きな脅威となった」。
孔明の策が奏功し、呉と魏が戦うことになる。「よし、まず赤壁の合戦の恨みを晴らそう」。「軍議一決、曹操は40万の大軍を陸路と軍船でもって、呉に向かわせた」。