女性は絶対、見てはいけない漫画・・・【山椒読書論(651)】
【読書クラブ 本好きですか? 2022年1月4日号】
山椒読書論(651)
女性は絶対見てはいけない漫画、それは『ムーさん』(二階堂正宏著、新潮社)である。
至極単純な絵で、男の一面、それも男の飽くなき欲望の一面が、次から次へと性懲りもなく、あっけらかんと描かれているからだ。
所々に挿入されている「著者に訊く」のやり取りからも、その激しさが窺えるだろう。
●――とりあえず、二編読みましたが、とんでもない漫画ですね。ずっとこれが続くんですか。「これしかありません」。
●――あんまりな漫画ですね。よく「小説新潮」は連載を続けていますね。「誰も読んでないんじゃないですか」。
●――今まで、読者から抗議や苦情が来たこと、ないんですか。「来ても読みません。出してもムダです」。
●――二階堂さんは、日常、こんなことばかり考えているんですか。「他に考えること、ないもんですから」。
●――これって、二階堂さんの願望ですか。「願望ですけど、行動がともないません」。
●――いたいけな子供が本書を読んでしまったら、どうするんですか。「大人になるのが、楽しみになるでしょうね」。
もう一度、念を押しておくが、女性は絶対、本書を手にしてはいけない。