生きている限り、一ミリでも日々、向上を目指す。わたくしの最後は、上り坂で終わりたい――堀文子の心に響く言葉集・・・【情熱的読書人間のないしょ話(2486)】
ジョウビタキの雌(写真1~3)、シロハラ(写真4、5)、ツグミ(写真6~8)、ヒヨドリ(写真9)をカメラに収めました。
閑話休題、『人生の達人・堀文子の生き方』(堀文子・中島良成著、中央公論新社)は、100歳まで自分が心動かされたものだけを描き続けた画家・堀文子の心に響く言葉が満載です。浅学の私は、本書で堀文子という画家を初めて知りました。
●わたくしは絵の達人にはなれなくても、生き方の達人になりたいと思います。
●わたくしは自分が見たもの、感動したもの以外は描きません。
●きれいな一本の線で描いたような生き方では、決して物事を達成することはできません。
●美は敗者のものである。栄華の焼け跡の灰の中から美は生まれる。
●わたくしは、興味があればどんな遠くにでも行きますが、興味がなければ隣の家へも行きません。
●わたくしはその日その日の現在(いま)に熱中し、無慾脱俗を忘れず、何物にも執着せず、わたくし流の生き方を求めて歩き続けて参りました。これがわたくしの生きた道です。
●気になったことがあったら、背中にしょっている籠に入れておきなさい。いつか何かのとき、その背中のほうから、とんとんと叩く音がして、「私を出してくれ」と合図が来ますよ。
●わたくしはプロが震えるアマチュアでいたい。
●生きている限り、一ミリでも日々、向上を目指す。わたくしの最後は、上り坂で終わりたい。
●わたくしは常に困難な道を選ぶようにしています。人は困難に直面したとき、必死に考え向上します。うまくいっているときは油断して進歩が止まってしまいます。
●日が当たるときは危険だと思うべきです。
●鈍感は盗みより悪い。
●人間に生まれてくる確率は低いのです。
●私は乱を好む。いつもと違う風景に出会うことで新たな感動が生まれる。
●不満は人生の道しるべ。
●自由を得るのは命がけです。
●「群れない、慣れない、頼らない」――わたくしが、偏屈な職人だからそのように申し上げるのです。出世したければ「群れる、慣れる、頼る」と、反対の生き方をすればよいと思います。
●過去は振り返らない。次はどうしようかと毎日つんのめって生きています。
●満足していないことが次の向上につながる。
●美しいということは、はかなさや、気品や、格調に充ちていることだと思う。
●躾とは甘やかさないことです。褒めるとそこで安心して、成長が止まってしまいます。
●物事を何でも決めつけてしまう「決め吉」は、柔軟性がない分、面白くありません。
●人間は地位やお金を渡すと本性が見える。貧しいときはみんな良い人です。
●人は、過去に感動してきたものが、伏流水として出てくる。
●自然の中で暮らし、よく観察することが大切です。
●絵は、自分の未熟を発見するために描くのです。
●わたくしの作品は一作品一技術です。
もっと早く、こういう凄い生き方に接したかったと、つくづく思います。