韓国併合、大逆事件、共産主義についての、井沢元彦の鋭い眼力・・・【情熱的読書人間のないしょ話(2828)】
3日前には、縄張り意識の強いジョウビタキの雄と雌が、林間の小道の両者が20mほどしか離れていない場所に出現したので驚いたが、今日は、何と3mという近さまでジョウビタキの雄(写真1~4)と雌(写真5)が異常接近。この2羽のテリトリー感覚はどうなっているのだろうか。アオジの雌(写真6)、ツグミ(写真7、8)をカメラに収めました。ソシンロウバイ(写真9~12)が見頃を迎えています。野鳥観察後、東京大学柏キャンパスのカフェテリアで昼食。
閑話休題、『逆説の日本史(27)――明治終焉編 韓国併合と大逆事件の謎』(井沢元彦著、小学館)で、井沢元彦の眼力の鋭さを感じたのは、●伊藤博文は当初は韓国併合に反対だった、●大逆事件で死刑にされた幸徳秋水は無実であった、●共産主義は国家も国民も不幸にする――という3つの指摘です。
「(首相・桂太郎や寺内正毅らの)強引な韓国併合に歯止めをかけるべく『憎まれ役』を引き受けた伊藤博文」であったが、暴政を続け近代化を拒む韓国の国王・高宗とは連携できないと見限り、「『合併は必要無し』から『併合やむなし』へと変わった」というのです。私は伊藤博文という人物を誤解していました。
「大逆事件で逮捕された24名、死刑に処された12名のうち4名以外は無実であった。とくに、事件の代名詞にもなっている幸徳秋水も暗殺計画は知っていたが参加はしなかったので、まったくの無実であった。ところが、(この事件を社会主義者弾圧に用いようとした首相・桂太郎により)証人喚問もしないスピード審理のデタラメ裁判で死刑に処されてしまったのである。たしかに、この中に明治天皇を殺そうとしたメンバーもいた。幸徳秋水の『パートナー』であった管野(かんの)スガがそのリーダーだった。・・・天皇暗殺を立案し実行の準備をしたのは、管野スガ、宮下太吉、新村忠雄、古河力作の4人だけだったようだ」。明治天皇暗殺計画を実行しようとしていたのは、実際は4人だけだったとは!
「共産主義は結局それを信奉する国家も国民も不幸にするものであることは、ソビエト連邦やその『奴隷』であった旧東ドイツやポーランドなど東欧諸国の歴史が証明した。中華人民共和国も経済は自由化しないと国家も国民も豊かにならないと悟り、その方向へ舵を切った。しかし、北朝鮮だけは断固として『純正な』共産主義を貫いている。その結果、おそらくアジアの国の中では唯一『飢餓』あるいは『餓死』を根絶できない国家に成り下がってしまった。もちろん、それは共産主義という誤ったイデオロギーのせいであって民族の資質の問題では無い。その証拠に、同じ民族である韓国人の築いた国はまともに働けば『好きなものを腹いっぱい食える国』であり、『最高権力者である大統領も批判できる国』だ」。私も全く同意見です。