15歳の「私」と28歳の彼女との性愛関係･･･【情熱的読書人間のないしょ話（2900）】

アイスランドポピー（写真1～5）、ツルニチニチソウ（写真6）、シャガ（写真7）が咲いています。散歩中のアキタイヌの雌（写真8）に出会いました。

閑話休題、『彼女のことを知っている』（黒川創著、新潮社）では、15歳の「私」と28歳の彼女との性愛関係が描かれています。自分が、その15歳の少年のような気分になってしまいました。

「初めて女性と寝たとき、どうして彼女がそういう行動を取ろうとしたのか、私にはわからなかった。そのとき、私は一五歳で、彼女は二八歳、そして恋人もいた。だが、それが、私には、うれしい出来事だったのは確かである。彼女のことが好きだった。好きになる相手は一人だけではないとしても。彼女は『あとで行くからね』と予告してから、暗がりのなかを私の寝床にやってきた。つまり、彼女は、自分がやりたかったことをしたのである。少なくとも、そうした相手として、私を好ましく思ってくれてはいたわけで、それがうれしい。最初の性体験で、互いの気持ちが通じる経験を持てたことは、私にとって、生きていく上での道しるべとなった」。

「今年、私は六一歳になろうとしている。もし、由紀さんが、いまもどこかで元気でいるとしたら、七四歳ということになる。――彼女のことを知っている。たぶん、ある程度は。そのようにも思えてくるには、やはり、こうして、あとに続く歳月が必要だった」と結ばれています。

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